「(あのうまいやつを)淹れてくれ」
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写真は2018年2月に買って以来ずっと愛用しているカリタのコーヒー・ミル。これ以前は手まわしで挽くハンド・ミルを使っていましたが、どうしても粉の大きさに多少のムラができてしまっていました。ハンド・ミルでは避けられないものですが、超微粉は雑味の原因になるので。
とはいえ、2018年に買ったということはわりと最近ですよね。長い人生それまでずっとハンド・ミルを使ってきたわけで、それで満足していなかったというのでもありません。その前なんかお店で挽いてもらってパウダーにしたのを持って帰っていたくらいですから。
焙煎豆のままで買ってきて淹れるたびに挽くようになったのは、実はそんな前の話でもなくて、たしか世紀の変わり目ごろのこと。ミルは渋谷東急ハンズで買ったと思います。職場が渋谷にあったので、その帰り道でハンズに立ち寄ったんでした。
淹れる直前に豆から粉にするようにしてからは、できあがりのコーヒー液の風味がぐんと向上するようになったというのを当時実感していました。カリタの(業務用スペックの)電動ミルを買ったのがぼくにとってはコーヒー人生二度目の革命で、それ以後はホントおうちカフェ・タイムが楽しくって。
ペーパー・ドリップでコーヒーを自作するようになったのはたしか大学生のころから。高校生時分にわりといいインスタント・コーヒーを買って愛飲していて、もっと本格的な味を!と追求するようになったんだったと思います。それで紙のガイド・ブックとかを買って(当時ネットはない)いろいろ調べました。
両親や弟たちと同居している時代だったので、自分用のコーヒーをつくる際にみんなのぶんも同時にドリップして「うまい」と称賛されていたのはおぼえています。弟二人はそんなにコーヒーほしがらなかったんですが、両親がコーヒー好きでした。「(あのうまいやつを)淹れてくれ」とせがまれることもしばしば。
上京してひとり暮らしになってはじめて自分にだけコーヒーをていねいに淹れるという日々になりましたが、その後10年弱で結婚して二人暮らしになりましたから、今度はパートナーのぶんもいっしょにつくることになりました。どっちも働いていましたから時間が合わないときはしょうがなかったんですけど。
離別してからもコーヒー・メイクをやめるなんてことはなく、その後はふたたび自分用に一人分だけつくって飲むという日々が現在まで続いています。間違いなく死ぬまでずっとこのままひとりなので、だれかのためのコーヒーをいっしょに淹れるっていうことは今後ないでしょう。
お店出せばいけるんじゃないかなんて言われることもときどきあるコーヒー・ライフでしたが。
(written 2022.12.13)
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