プリンスのブルーズ ver.2.0
(4 min read)
Prince / Blues
https://open.spotify.com/playlist/4Jc3s1hCpHJjxLmV4n2ez0?si=ac923c3a90084aee
1. The Question of U (1990, 90)~ from “Graffiti Bridge”
2. 5 Women (1991, 99)~ from “Vault: Old Friends 4 Sale”
3. Peach (1992, 93) ~ from “The Hits / B-Sides”
4. The Ride (1995, 98) ~ from “Crystal Ball”
5. Purple House (1999, 2004)~ from “Power of Soul: A Tribute to Jimi Hendrix”
プリンスのやったブルーズについては、だいぶ前に一度書いたことがあります。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2016/09/post-1b43.html
この後知ったこともあるし、あのころまだあまりよくわかっていなかったこともふくめ、あるいはサブスクでプリンスの(ほぼ)全音源が解禁されたので手軽にちょこっと聴いてみることができるようになりましたから、またあらためてもう一度書いておきます。
プリンスがその録音人生で残したブルーズ楽曲は、現在リリースされている範囲でいうとぜんぶで五曲。それをいちばん上でリストにしておきました。曲名右のカッコ内は、推定録音年、収録アルバムのリリース年。このうち1「ザ・クエスチョン・オヴ・U」だけがかっちりした12小節定型ではありませんが、こりゃどう聴いてもブルーズでしょう。
2以下の四曲は12小節3コードのどブルーズといっていいもの。ジミ・ヘンドリクス「レッド・ハウス」の焼きなおしである5「パープル・ハウス」だけがサブスクにありません。収録アルバム『パワー・オヴ・ソウル』はジミヘン・トリビュートで、さまざまなミュージシャンが参加しているものでしたから、権利関係的にむずかしいのかも。
がそれもYouTubeにはあります。公式アップロードじゃないのでご紹介しにくいかもという気がしないでもありませんが、ひょっとしてそれでお聴きになった中から、これならCD買ってみたいぞというかたが出現する可能性も考慮すれば、リンクを貼る価値があるかと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=whbewejw-g8
この「パープル・ハウス」とかで聴けるように、プリンスもまたくっさ〜いファンキー&ブルージーなどブルーズをときどきやりました。こういった世界がもとから大好きでたまらないぼくなんかには、しかもプリンスがそれをやっているということで、歓喜の涙を流しそうになってしまいます。も〜快感。
特にギターにファズなどのエフェクターをぎんぎんに効かせてダーティに弾きまくるさまには、もうほんとヨダレたらしそうになってくるほどで、好きなんですよねえ、こういったエレキ・ギター・ブルーズが。プリンスだってこれでもかと下世話にあおりまくっていて最高。ぶいぶいうなるエレベはラリー・グレアム。
その意味では「ザ・ライド」も同じです。ミネアポリスはペイズリー・パークでのライヴ収録だったもので、ここでもナスティなブルーズを披露してくれています。ブルーズの快感とはこうした一種の音楽的劣情を刺激してくれるところにあるんじゃないかと思うんで、プリンスもそれをよく承知していたということでしょうね。
「ピーチ」なんかサブスクでは “explicit” マークがついているくらいで、歌詞はそのものずばり。8ビート・シャッフルの曲調も下品で最高ですが、「パープル・ハウス」「ザ・ライド」あたりと比較すれば、ギター・サウンドにダーティさがうすいかも。まずまずきれいにまとまっているんじゃないですか。
「ザ・クエスチョン・オヴ・U」と「5・ウィミン」はB. B. キング的っていうか、「ザ・スリル・イズ・ゴーン」系みたいに聴こえるモダン・ブルーズ。特に「5・ウィミン」のほう。この二曲はプリンスのブルーズにしてはさっぱりしていておとなしいと感じます。
いつもではなかったにせよ、こうしたブルーズ演奏を残してくれたっていうことを考えると、プリンスってちょっと古いタイプのブラック・ミュージシャンだったのかもしれませんよね。
(written 2022.1.27)
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