サブスク、嫌いでいいけど、否定しないでほしい
(4 min read)
音楽を、べつにどんなメディアで聴いてもいいと思うんで(公式であれば)、レコード、CD、カセットテープ、あるいはダウンローディッド・ファイルとか、定額聴き放題制のストリーミング(サブスク)でもいいんじゃないでしょうか。むろん生演奏に接することができれば最高の体験です。
録音音楽なら、同じ装置で聴くかぎり音質的に上記どれもほぼ差がないっていうのがぼくの実感です(オンボロ耳?)。さらに、あたまに残るかどうか、印象度や愛着の強さといった面においてもなんら違いはないと、経験上断言できます(個人の感想)。要は音楽生活がそれで満たされているか否か、慣れの問題にすぎません。
ですから、お財布事情や生活上の必要性、どれに慣れているか、愛好度が強いかといった個人的理由により、どのメディアでもいいので自分向きのものを選べればおっけ〜と思うんです。どれかに決めなくちゃなんない必要だってなくて、もちろん(サブスク頼みになった)ぼくだっていまだ複数の手段で聴き続けています。
ひとが違えば趣味でもなんでも千差万別なのであって、このメディアが自分向きだ、好きだという嗜好の違いはあるにせよ、これでなくちゃならないとかあんなのダメだとか、そんな他人の音楽ライフを否定するような発言を堂々とおおやけの場でなさるのはちょっとどうかと思いますよ。
それなのにこのごろは、サブスク派によるディスク時代遅れ発言がやや減少しつつあるいっぽうで、ディスク派のサブスク・サービス(とそれを利用しているリスナーたち)に対する攻撃が増しているようにみえていて、なんともウンザリ。昨年暮れごろからこの傾向が続いていますよね。
数日前もTwitterで露骨なのをおみかけしました。ぼくがフォローしているみなさんご自身はどなたも直接おっしゃらないんですけど、第三者のだれか知らないアカウントがそんなサブスク真っ向否定発言をしているのをリツイートなさっていたので読めてしまって、気分がダウン。
それによれば身銭を切っていない音楽が身につくわけないんですって。ハァ〜。こうなると、一個人の趣味嗜好という範囲を越えた、一種の差別発言ヘイト発言ですやん。なんか、ちょっと、ねえ。
一枚2500円くらいを出して買う音楽フィジカルと月額980円で無限に聴けるSpotifyで、身につくとかつかないとかそんな違い、あります?月〜金で毎日音楽ブログを更新している現在のぼくはほぼいつもサブスクで聴いて書いていて、そうであってもしっかり向き合って分析的にのめり込んで聴ける、沼にはまっちゃう実感があります。
そげなこと、ふだんからぼくの文章をお読みのみなさんならよ〜くご存知のはず。
でありますから、サブスクなんかじゃマトモに聴けるわけないのであるといったような発言をみかけると、鼻で笑っちゃうっていうか、あぁこのひとはなんにも知らないのであるなと思うと同時に、音楽で生きている人間としての人格を否定されたような気分になることもあって、まことに有害です。
(written 2023.3.21)
最近のコメント