カテゴリー「べスト・セレクション企画」の21件の記事

2022/08/18

喪失感とノスタルジア 〜 おだやかな音楽

453996ef44794e8f985b1c8ff0e0d804

(5 min read)

 

おだやかな音楽
https://open.spotify.com/playlist/3DL7TLlk72KVeDcKbfnO4r?si=3dd2ed323e9e4e06

 

ここのところの個人的耽溺であるおだやかな音楽。夜だと室外の虫の音がミックスされてはっきり聴こえてくるくらいの静かなものです。こういう人間に変貌し切ったのかいっときだけの気の迷いみたいなもんなのか、もっと時間が経ってみないとわかりませんが、いまの気分はもうすっかりこれ。

 

だから、そんな曲ばかり選んでたくさん並べてプレイリストにしてまとめて聴けばさぞや心地いいはずと思い、実行したのが上のSpotifyリンクです。ぴったり50曲、約三時間半。いまはもうこれさえあればなにもいりません。ヘヴィロテ状態。

 

この『おだやかな音楽』プレイリスト作成にあたり気を配ったことは、自分が心地いいと感じるかどうか?というのがもちろんいちばんですが、三月につくった『My Favorite 100 Tunes』とダブりがないようにということもあります。90曲近くあった素案ではわりと重なっていたので。

 

でも一つだけ例外あり。きょうのほうでは2曲目に選んだルイ・アームストロング(サッチモ)の「ディア・オールド・サウスランド」(1930)。これだけはどうしてもムリでした。好きなんてもんじゃない、心の底から愛しているとしか言いようがないので、この種のどんな自作プレイリストでも外せない必須。

 

その上で一人(一組)一曲ということと、違う音楽家でも同じ曲をやっていたらどっちかを除外するというのもポリシーとして実行しました。それでどうにかこうにか苦労しながらこのプレイリストに。こうした淡々おだやか系に没入するようになったのは2020年すぎごろからなので、過去三年くらいのブログを読みかえしながら。

 

ってことは、ある意味コロナ禍がもたらした心境の変化といったことがあるのかもしれません。根っからのインドア派なぼくで、コロナ以前からずっと部屋のなかでオーディオ・スピーカーから音楽を流して楽しみながらパソコンいじっているだけなんですけど、なおさらいっそう内向きの指向が出てきたのかもしれません。

 

新型コロナウィルス感染症にかんするあふれんばかりの情報に日々接することとなり、もとから外出はしないけど、しようにも控えておいたほうがいいという判断が生じることとなり、なんだかグルーミーな気分に支配されているここ三年ほど。意識はしていなかったものの、知らず知らずのうちに派手で陽気で接触過多な野外向け音楽を遠ざけ、こじんまりしたサロンふうのおだやかな内向きのものを好むようになってきたということがあるかも。

 

きょうプレイリストにしておいたような、こうしたおだやかで、さわやかさすらある静かでクールな音楽って、実はその根底に深い喪失感があって、なにかを失って二度と取りもどせないという失意と絶望に裏打ちされたものだなぁということが、こんなぼくでも最近ようやくわかるようになってきていて、だからこその深みだと思うんですよね。

 

つまりノスタルジアでもあって、二度とそこへ戻ることができないようなつらい気持ち、永遠の喪失を思いなつかしむ気持ちこそ、淡々としたおだやかさの正体かもしれないなという気がします。

 

きょう選んだ50曲の多くに諦観と孤独感が濃厚にただよっていますが、サウンド・テクスチャーとしてダイナミックなものや劇性などはなく、ひたすら平坦にずっと同じ調子で一定の安寧フィーリングを表現しているだけ。そういったなかにディープなエモーションが隠れているんじゃないでしょうか。

 

ぼくら一般人リスナーは、高齢になって喪失と回復不能が避けられない日常となったことを直視するようになり、それでようやくこうした境地にたどりつくもんだと思うんですけども(ぼくはそうだった)、歌手や音楽家というか表現者は、そうまでならない年齢で同じ世界を演じてみせることができる特異な存在ですよね。

 

要するにフィクションということなんですけど、それでこそ癒やされるわけです。あらゆる人間関係がダメなぼくには、フィクションこそが救い。それでふりかえってかえって深く現実を認識することにもつながって、自分自身もそれで変わるし、音楽とか(文学とか映画とか)の持つ力って大きいと思います。

 

(written 2022.8.17)

 

※ 21曲、1時間21分のショート・ヴァージョンも作成しておきました。

https://open.spotify.com/playlist/4AwfruVmZL9MhxqC9uUAEY?si=58cb042c58b84cbd

 

2022/08/15

ここ三年の頻聴9(2022年夏 ver.)

F2ff7c402b774f6fa70279e188683db8

(5 min read)

 

2540個以上ある過去記事をぜんぶ読みなおす機会がありました(時間かかったぁ)。それで、2019年5月に「ここ三年の頻聴 9」というのを書いていたと思い出し。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-d5b298.html

 

忘れていましたが(たまには読みかえそう)ちょうどまた三年経ったので、2022年夏ヴァージョンの「ここ三年の頻聴9」を書いておきたいと思います。この手のベストものを選ぶのがぼくは好きですね。カテゴリー分けしてあります。

 

この三年のぼくというと、坂本昌之と伊藤ゴローという二名のサウンド・クリエイターにすっかり洗脳支配されてきたとして過言ではありません。おだやかで静かで淡々とした薄塩音楽に傾倒するようになったのだってそれが遠因かも。

 

両者ともそこそこキャリアがあるんですが、それはハマってさかのぼってわかったことで、出会ったのはわりと最近のことですから。そして、そうした音楽傾向の基底にジャズやジャジーな要素がしっかりあるというのも、ぼくみたいな人間には格好でした。

 

以下、愛聴順。プレイリスト(*)だとカッコ内の数字は作成年。

 

1)Chien Chien Lu / The Path(2020、台湾 / アメリカ)

A0627008089_10_20220814131501

 左右に持ったマレット二本でガンガン叩いていくファンキーな肉体派ブラック・ジャズ・ヴァイビストのデビュー・アルバム。データはないけど、間違いなくこれを近年いちばん聴いています。
https://open.spotify.com/album/0fo6PcE438y9Ob8cDVF75m?si=Il379FDpRbKlZqPc23Yd1Q

 

2)原田知世 / ベスト of 伊藤ゴロー produces 原田知世(2021、日本)*

Screen-shot-20220814-at-131635

 2017年に出会っていましたが、ここまで聴くようになるとはねぇと自分でも不思議に思うほど伊藤ゴロー・プロデュースのサウンドにもうぞっこん。ジャジーで淡々としたおだやかな薄味音楽で、知世の頼りない声が水を得た魚。2007〜22年の作品群から。
https://open.spotify.com/playlist/3r71Pfsc3i5TEG8Olz6fRP?si=a3a487b3ec584e15

 

3)徳永英明 / VOCALIST BEST(2021、日本)*

Screen-shot-20220814-at-131758

 坂本昌之にも2017年暮れごろ坂本冬美の作品で出会ってはいましたが、完璧に堕ちたのはこの徳永英明のシリーズ(2005〜15)を知ってから。ミリオン売れて坂本の出世作となった模様。全曲カヴァーですが、妙なるアレンジで化かすあまりにやわらかい卓越技に蕩けます。
https://open.spotify.com/playlist/2xVegNiu3RVSvD6fi3RISN?si=f0c4eb70e3a44579

 

4)孙露 / 十大华语金曲(2017、中国)

Sunlu2018_20220814131801

 日本に入ってきたのが2021年だったので。一作単位で選ぶと、近年のおだやか淡々系音楽のなかではぼくの知っているかぎり最高傑作と思います。あっさり控えめな中国楽器の使いかたもすばらしく。プロデューサー or アレンジャーを知りたいっ。
https://open.spotify.com/album/3lhzaYDoPziTrjRJRmS86p?si=lnndL25YQWOXIf9yhCDHDQ

 

5)Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(2022、アメリカ)

81o84vub7ul_ac_sl1500__20220814131901

 イギリスからアメリカに来てピアニスト&プロデューサーのロブ・シラクバリと出会い公私とものパートナーとするようになってからは、もうすっかり落ち着いて人生の充実をみつけたという安心感幸福感が歌にも表れていますので、聴いていてなごめます。
https://open.spotify.com/album/0CNhXKYx4kOOZrelgXiGUr?si=oATKpYogQMeXIWNTeTAXdg

 

6)Donald Fagen / The Nightfly Live(2021、アメリカ)

814fsuqvpol_ac_sl1500__20220814131901

 1982年に徹底したスタジオ密室作業で組み上げた音楽を、ワン・タイムの生演奏で再現したもの。ライヴならではの躍動感やイキイキとしたグルーヴを保ったまま一分のスキもない演奏をくりひろげるミュージシャンたちに感服します。
https://open.spotify.com/album/5C5qAs32rM9PXL6MNuxTDp?si=66bwnvyRQhiZgJOVps0xXg

 

7)坂本冬美 / ENKA III 〜偲歌〜(2018、日本)

61ip8r6ebil_20220814132001
  
 坂本昌之は現代日本で最高のアレンジャー(私見)なので、冬美も一つあげておきましょう。シリーズ最終作となったこれがぼくはいちばん好きですね。古典的な演歌スタンダードがここまで柔和な世界に変貌するなんて、マジックとしか思えず。
https://open.spotify.com/album/4N1LO6cSf23N1eiYRWcBOY?si=4FXMxaHCRMC-sQhXXcgG6Q

 

8)Kat Edmonson / Dreamers Do(2020、アメリカ)

81eirndu1hl__ac_sx300_sy300_ql70_ml2_

 ジャジーなリズム・セクションを軸とした伴奏に乗せディズニー・ソングの数々を、それもアッといわせる驚きの斬新アレンジで歌ってみせた、まさに夢を見ているようなムーディな幻想世界。
https://open.spotify.com/album/48vMJyoBaAUs7mRtVnENwh?si=ENk5HoVbRuq_hG6YJ7JLHA

 

9)Nat King Cole / Latin American Tour with King Cole(2019、アメリカ)*

4589605035069_20220814132201

 Spotifyではプレイリストですが、これは同題のCDアルバムがあります。ラテン専門家の竹村淳さんセレクトでオフィス・サンビーニャから発売されたそれと同内容になるようにしただけ。ラテンなナット・キング・コールは戦後の日本でも親しまれましたね。もとは1958〜62年発売のレコード三枚。
https://open.spotify.com/playlist/7GlR8e592Xomud4vjHrN9h?si=f05bd96991134d22

 

(written 2022.8.14)

2022/06/30

#2022年上半期ベストアルバム

Cb60ac8a8e4241b4bb124bc7fccaa913

(2 min read)

 

My Best Songs 2022
https://open.spotify.com/playlist/6dVHmu1vZhUQyYf9c2GojA?si=834a655c829b4ae4

 

毎年一回、年末にベスト・アルバムを発表し続けている人生ですが、なんとなく気が向いたので今年は上半期ベストもきょう六月末に書いておくことにします。画像が上掲のようにタイルできるよう九作だけ。

 

1) Nduduzo Makhathini / In The Spirit of Ntu(南アフリカ)

メインストリームなジャズの枠内で現代にどこまでやれるか可能性を最大限に発揮した傑作。

 

2) Flora Purim / If You Will(ブラジル)

サンバ基調のブラジリアン・フュージョン第一人者がいまだ現役トップであることを立派に証明。

 

3) 原田知世 / fruitful days(日本)

円熟したまるみと深みのあるサウンドとヴォーカルは、伊藤ゴローがプロデュースするこの歌手の最高作になったのでは。

 

4) Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(アメリカ)

知世もそうだけど、こうしたとことんおだやかで静かで落ち着ける世界こそが還暦を迎えたいまのぼくの気分。

 

5) Edu Sangirardi / Um(ブラジル)

ジャズ・ボッサをベースにした、これもそんなおだやか路線。音楽的にはなかなか難度も高そう。

 

6) 大西順子 / Grand Voyage(日本、2021)

ほとばしり飛び散る肉体派ジャズ・ピアノの快感充満。

 

7) Juanita Euka / Mabanzo(コンゴ)

アフリカン・ポップス最良の現在進行形は、コスモポリタニズムに下支えされている。

 

8) Taj Mahal & Ry Cooder / Get on Board: The Songs of Sonny Terry & Brownie McGhee(アメリカ)

1960年代的なフォーク・ブルーズだって現代にも意味を持っているし、なにより楽しいっていうことをベテランが再認識させてくれた。

 

9) Stro Elliot, James Brown / Black and Loud: James Brown Reimagined(アメリカ)

ジェイムズ・ブラウンの音源をヒップ・ホップでリミックスし歴史の連続を示した、これもアメリカン・ブラック・ミュージック。

 

(written 2022.6.29)

2022/06/08

これなしでは生きられない五つのアルバム

21ceb62374354f83ac0be3af9f93dea4

(3 min read)

 

5 Albums I Can’t Live Without
https://open.spotify.com/playlist/0AixTBNeKL4XLoIkqeBJXr?si=c6209b7ebbb04669

 

・Teddy Wilson / The Teddy Wilson
・Nina Wirtti / Joana de Tal
・Dr. John / Duke Elegant
・原田知世 / fruitful days
・坂本冬美 / ENKA III 〜偲歌〜
(順不同)

 

こないだなにかでふらっとスザンナ・ホフス(バングルズ)の記事『5 Albums I Can’t Live Without』というのを見つけ、読みました。
https://www.spin.com/2022/05/5-albums-i-cant-live-without-susanna-hoffs/

 

ちょっと真似して、ぼくもこういうのを選んで書いておいてみようかと。たった五つと限定(しないとおもしろくない)するわけですから、かなり迷います。あれもこれも外れちゃう。マイルズもプリンスもいないなんてねえ。

 

つまるところ「60年の人生で」というより「いまのぼく」にとってほんとうに大切で不可欠な音楽だけ選んだということです。それが誠実だと思いますから。それでもあれを追加してはこれを外しのくりかえしで、これでいいのか?といまだ躊躇が消えず。でも思い切ってここらでエイッと出します。

 

1)テディ・ウィルスン / ザ・テディ・ウィルソン

Theteddywilson2

 こういった1930年代後半スウィング・ジャズのコンボ・セッションが死ぬほど好き。日本独自企画による二枚組レコードだったもので、全曲もとはSP音源。(このアルバムとしては)CDも配信もありませんが、忘れられず。これさえあれば生きていける。
https://open.spotify.com/playlist/6ivp7METpWgzpizCJI2GHV?si=33a70cf442984f8a

 

2)ニーナ・ヴィルチ / ジョアナ・ジ・タル

818nwgpgjil_ss500__20220607124801

 ブラジルの歌手。この2012年作は小粋でこじんまりしたサロンふうのサンバ・ショーロで、個人的嗜好のどまんなか。しゃれた伴奏もオーソドックスなニーナの声もチャーミングだし、録音というか音響もすばらしい一作。
https://open.spotify.com/album/0Oivkm8f3O3YIIvPEJJr05?si=L9HCc143SIOLEzv6QhBu9Q

 

3)ドクター・ジョン / デューク・エレガント

R22185921270502156_20220607124901

 まごうかたなきアメリカン・ブラック・ミュージック。なんだかんだ言って結局のところこういったファンキー・グルーヴがぼくの人生には必要なんでしょう。デューク・エリントンの原曲もドクター・ジョンらの再解釈も絶品で、筆舌に尽くしがたい生理的快感。
https://open.spotify.com/album/32944vJtxt5vMbR8dAMViB?si=JKPydqw6TjGo_CvIFDtV4Q

 

4)原田知世 / fruitful days

617fdxdxll_ac_sl1000_

 4と5は伊藤ゴローと坂本昌之というふわっとやわらかく静かでおだやかな和める二名のサウンド・クリエイターがぼくには必須になったということです。ふだんいつも聴いている知世は自作プレイリスト『ベスト of 伊藤ゴロー produces 原田知世』なんですけど、オリジナル・アルバムを選んでおきたかった。
https://open.spotify.com/album/4qEzXvDAgusrcMi5O5dWr7?si=tzjlGjSZS0KjiyvTEaSDDg

 

5)坂本冬美 / ENKA III 〜偲歌 〜

61ip8r6ebil_ac__20220607125001

 こういうのは岩佐美咲が導いてくれた世界ってことですよ。冬美の『ENKA』シリーズ計三作でアレンジのペンをとった坂本昌之が、スタンダードな古典演歌をまるでフィーリンみたいなソフトでなめらかな世界へ変貌させて、冬美のヴォーカルも淡々としたおだやかさを獲得。もともと演歌好き人間だったぼくはもうゾッコン。
https://open.spotify.com/album/4N1LO6cSf23N1eiYRWcBOY?si=u5k-Zu2gTLqx_YjdBjZ3wQ

 

(written 2022.6.6)

2021/12/31

マイ・ベスト・アルバム 2021

D523408505a341a8b2b0b3d4385650bb

(3 min read)

 

https://open.spotify.com/playlist/4wdIbedQ0wxpssLUuHUNTf?si=1b72f2eadd3f473f

 

毎年言っていますが、今年を代表する傑作だとか現在形だとかいうことより、自分の好みとヘヴィ・ロテ実感で選んでいます。それでいいじゃん、趣味なんだから。

 

1. Chien Chien Lu / The Path(台湾、2020)

Xat1245746137_20211230135401
https://open.spotify.com/album/0fo6PcE438y9Ob8cDVF75m?si=of7Cf7FnSaagr8z2u0wKYQ


1. Patricia Brennan / Maquishti (メキシコ)

1008209021
https://open.spotify.com/album/52xnMW8ir7yfyuVzUSpeTZ?si=JQ0IhfOIQ7-bkMHiK_ytHw


迷いはてたあげく、どっちも二位にできず。いずれも米NYCはブルックリンを拠点とする若手ヴァイブ奏者のデビュー作。チェンチェンはグルーヴィ&メロウなブラック・ジャズ、パトリシアはアンビエントふう前衛即興独奏と、持ち味は正反対ながら、どちらもぼくには最高に心地よく、なんど聴いたかわかりません。

 

3. 孙露 / 十大华语金曲(中国、2017)

Sunlu2018_20211230135501
出会ったのが今年だったので。抑制の効いたややハスキーなアルト・ヴォイスの孙露と、どこまでもおだやかで静かな凪のようなサウンドで、平穏に時を過ごすことのできる幸せをかみしめます。淡く、薄味。
https://open.spotify.com/album/3lhzaYDoPziTrjRJRmS86p?si=B4e5MgB5Q56Vt4WCQ-0EdQ

 

4. Yamandu Costa, Guto Wirtti / Caballeros(ブラジル)

Screen-shot-20211230-at-143703
聴けば聴くほどため息しか出ない、ラテン・ミュージックの優雅なエロスとデリカシーの粋にとろけます。こういうのこそ音楽に求めるもの。
https://open.spotify.com/album/3fqIysSKJMaqenPVtkO7Tn?si=0fhrgEPSRuaW0UZWyX5CVQ

 

5. Walmir Borges / Isso É Coisa de Baile(ブラジル)

81dczxuos6l_ss500_
陽のサンバ・ソウル傑作。ギターとパーカッションのビート感が小気味いいし、楽しくて、声もいい。ブラジルものでは今年抜きに出ていたと思います。
https://open.spotify.com/album/52h3GsDzbOdzZX1o75Ss1r?si=kxwCO2IiQISa1ZNwvEBy-w

 

6. Avishai Cohen / Two Roses(イスラエル)

3700187673703_20211230140001
シンフォニー作品で、ジャズというよりクラシック作品に近い面もありますが、あまりにも美しい。ちょっぴりヘヴィかも?で、この位置。
https://open.spotify.com/album/2szbf6gQqHlk7cogeEMBfg?si=jBP4IU41Tlq5QlMW13Nlnw

 

7. Laufey / Typical of Me(アイスランド)

71cjs0ruhql_ss500_
レイヴェイ。淡くささやくようでいて、しっかりと、スウィートに、そしてやや仄暗く低く歌う、レトロ・ジャズ・ポップス。タイムレスな音楽。
https://open.spotify.com/album/1ZSqGiN0icYQ9AjMRCAiRo?si=4wOfAY0iQLS-PnvnKiM8sg

 

8. Nathaniel Cross / The Description Is Not The Described(イングランド)

1008339178_20211230140101
ブロークン・ビーツが気持ちいい最先鋭のロンドン・カリビアン・ジャズ。UKらしい作品で、コンポジションとソロのバランスも絶妙。
https://open.spotify.com/album/6pwCh7X6DU4Kv8qaizQykc?si=48tZQzz6Qz6p-SS10Fp08g

 

9. NonaRia / Sampul Surat Nonaria (Sebuah Persembahan Untuk Ismail Marsuki)(インドネシア、2020)

715wvz9dgxl_ss500__20211230140201
インドネシアはジャカルタのトリオがやるノスタルジックでジャジーなレトロ・ポップス二作目。フィジカル・リリースなきゆえ話題になりませんが、デビュー作よりいいんです。
https://open.spotify.com/album/4DcPdTthhYWoRbAwA5Mj88?si=fCsdY8nxQfeaK86m3mbVyw

 

10. Marilyn McCoo & Billy Davis Jr. / Blackbird: Lennon-McCartney Icons(アメリカ)

Dfn210423029
ゴスペル・ソングになった「ヘルプ!」は、いまの時代にあらためて共感と連帯と救済を求めるBLMアンセムのよう。老境を迎えたこの二人が愛を再確認してリスタートを誓いあう光景にも感動します。
https://open.spotify.com/album/3yWA8N5YKVQqhQQTPpQiLl?si=GX0zgQ4hQq2_b9MkDKv8YA

 

~~~
十作中インストルメンタルものが半数の五作と、やや多めになったのは例年にない傾向です。

 

今年も圏外にした作品のなかにも見逃したくない好作が多くあり、十個にしぼるのは悩みました。パウロ・フローレス(アンゴラ)、グザヴィエ・ベラン(マルチニーク)、返シドメ(日本)、アントニオ・ザンブージョ(ポルトガル)、ブラック・キーズ(アメリカ)、アーロ・パークス(イングランド)など、選んでもよかった遜色ない作品です。

 

また、新作でも初リイシューでもありませんが今年知って夢中になったものに、徳永英明の『VOCALIST』シリーズ六作(2005〜15)があります。実は今年いちばんくりかえし聴いたのはそれで、坂本昌之というアレンジャーの天才ぶりに惚れ抜いています。
https://open.spotify.com/playlist/2xVegNiu3RVSvD6fi3RISN?si=7bc29a9f5394444b

 

(written 2021.11.7)

2021/12/03

ぼくの #Spotifyまとめ 2021

Img_9837

(3 min read)

 

Your Top Songs 2021
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1EUMDoJuT8yJsl?si=2822305742e948c6

 

きょう日本時間の2021年12月2日早朝、#SpotifyWrapped 2021が出ました。毎年この時期に出ているもので、ユーザーの年間聴取歴をAIが分析して、どんなリスニング生活だったかふりかえって表示してくれるというもの。

 

それによると、2021年のぼくは263,498分音楽を聴きました。分単位で言われてもピンとこないなあと思って換算すると、約4,391時間ということで、これはどうやら日本人ユーザーでは第一位らしいです。

Img_9825

うん、そりゃあねえ、仕事せずどこにも出かけず、朝起きてから深夜寝るまでず〜っと音楽聴きっぱなしの人生で、しかもその99%が(2018年来)Spotifyで、という具合なんですから。世界的にみてもサブスクだろうとフィジカルだろうとこんなに音楽まみれの人間もそうはいないはず。

 

それで、今年最もよく聴いた100曲をその順にAIがプレイリストにしてくれた「Your Top Songs 2021」もできましたので、シェアしておきました。なんだか限られた音楽家をなんどもくりかえし聴いていたんだとわかり、実感とはだいぶ違いますが、データ的にはこうなんでしょうね。
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1EUMDoJuT8yJsl?si=2822305742e948c6

 

結果的に今年最も頻繁に聴いたのがチェンチェン・ルーの「ブルー・イン・グリーン」で、これがトップ。再生回数101回で、年末までにもっと聴きますから。チェンチェンはニュー・ヨークで活動している台湾人ジャズ・ヴァイブラフォン奏者で、ブラックなR&Bグルーヴへの傾倒を強く示すミュージシャン。

Img_9826

トップ五曲がこんな感じ。徳永英明はたしかにわかりますが、岩佐美咲の「初酒」がこんな上位に来ているのは個人的にやや意外です。が、聴いたということなんでしょう。これもですね、全わさみんファンのなかでぼくがトップだと思いますよ、これほどSpotifyで美咲を聴いているというのは。

Img_9827

Top Artistがマイルズ・デイヴィスなのは解せませんが、う〜ん、そんなに聴いたっけ〜?あ、そうだ、五月ごろ「マイルズを深掘りする」シリーズ全四回を特集して、ブログで書き、プレイリストもつくりました。あのとき集中的にマイルズのトータル・キャリアを聴きなおし、再発見があったのでその後やはり再生するようになったかも。

Img_9830

これがぼくの今年のTop Artists 5です。実感とはかなり違うんですが。どうしてパトリシア・ブレナンやチェンチェン・ルーが入っていないの?それなりにキャリアのある音楽家が優先されているということかなあ?ちょっとヘン(なのはぼくの実感のほう?)です。

Img_9831

ただ、Spotifyは曲単位、音楽家単位でしか分析しないので、いつもアルバムで聴いているぼくにはそのへんのふりかえりがわかりにくいというのも事実。というわけで、今年のベストアルバム10は例によっておおみそか発表の予定です。

 

(written 2021,12,2)

2021/07/01

ぼくをつくった九枚

Df71940c73af4b9d8d0c3e0bd80c64c0

(6 min read)

 

・山本リンダ / どうにもとまらない (1972)
・Led Zeppelin / Physical Graffiti (1975)
・Billy Joel / 52nd Street (1978)
・The Modern Jazz Quartet / Django (1956)
・Louis Armstrong / Satchmo 1925-1927 (1980)
・James Brown / Live At The Apollo Vol. II (1968)
・King Sunny Ade / Synchro System (1983)
・Salif Keita / Soro (1987)
・Caetano Veloso / Fina Estampa (1994)

(出会った順に並べました、カッコ内の数字はリリース年)

 

あちこちの音楽系ブログとかサイトとか見ていると、ときどき「自分を構成する10枚」みたいな記事が載っていることがあります。ちょっとおもしろいんじゃないかとぼくも真似してみることにしました。

 

自分を形成した、構成する、血肉になった、ということですから、音楽好きになったきっかけとか初期に嗜好を決定づけた作品たちということです。そういう観点から、うん、ぜんぶは思い出せていないと思いますが、だいたいこんなもんでしょう。

 

画像を上のように正方形にタイルしたかったので、10枚ではなく9枚。といっても二枚組が複数ありますので枚数で言うのはちょっとあれですけど。

 

・山本リンダ「どうにもとまらない」(1972)

 ハジレコ。10歳でしたのでセクシー系云々はわからず。それより激しいラテン・ダンス・ビートの楽しさをこれで憶え、その後生涯にわたるアフロ・キューバン好きっていう趣味を幼少時に決定づけました。ラテン・ミュージックが世界中に波及していることを知ったのはこのだいぶあとですが、小学生のころからそのことを無意識裡にカラダで憶えたのです。
https://open.spotify.com/track/41MccGiifvAeNrZ9CAgzcB?si=d38ba76221964ac1

 

・レッド・ツェッペリン『フィジカル・グラフィティ』(1975)

 狂熱のリンダ体験のあとしばらく歌謡曲や演歌の世界をテレビの歌番組で味わっていたぼくが、高校生になってはじめてレコード・ショップで買った洋楽がこれ。ブルーズ好きになったのは完全にツェッペリンのおかげです。アラブな「カシミール」などワールド・ミュージック志向もあって、案外のちのちまで影響をおよぼしていたかも。
https://open.spotify.com/album/1lZahjeu4AhPkg9JARZr5F?si=uRoKPfacTMy9XlMu6AWJpw

 

・ビリー・ジョエル『ニューヨーク52番街』(1978)

 都会的でおしゃれに洗練されたシティ・ポップ好きはこのころから。時代はちょうどフュージョン全盛期で、この作品もそんな色彩が濃いです。まだジャズにハマる前でしたから、フレディ・ハバードもマイク・マイニエリもこれで初めて知りました。ジャズ好きの血を地下で養ったアルバムでしたね。
https://open.spotify.com/album/1HmCO8VK98AU6EXPOjGYyI?si=EE0e41HZTEqms-hsLHCZ7w

 

・モダン・ジャズ・カルテット『ジャンゴ』(1956)

 聴いていたのは1曲目のタイトル曲だけですが、植草甚一さんの手引きでこれに出会わなかったらジャズ・ファンになることもなかったはずで、ジャズ・ファンにならなかったら音楽狂いになることもなく、現在までまったく違った人生を歩んでいたはず。まさしくぼくを決めた一曲。
https://open.spotify.com/album/6f7NUwHcqKOtROS8JippAp?si=rnIfFlvIT3-dTN7xW4iYVg&dl_branch=1

 

・ルイ・アームストロング『サッチモ 1925-1927』(1980)

 CDにはなっていない、調べてみたら80年リリースだったレコード。もっと前に発売されていたように思い込んでいました。戦前のSP時代のヴィンテージ・ジャズ(やブルーズ)好きっていう趣味を形成したもので、そりゃあもうこれでもかと聴きに聴き込んだものです。特にB面の「ワイルド・マン・ブルーズ」「ポテト・ヘッド・ブルーズ」あたりなんて至高の宝石に思えましたよ。孤独だったけど。
https://open.spotify.com/playlist/1tjvR2nS8x09B5AfiYNPlg?si=4d0edb60c1364b40

 

・ジェイムズ・ブラウン『ライヴ・アット・ジ・アポロ Vol. II』(1968)

 このライヴが行われた当時がジェイムズ・ブラウンの全盛期だったでしょう。現在に至るブラック・ファンク愛好、グルーヴ重視型志向はここから。一枚目B面の「ゼア・ワズ・ア・タイム」〜「コールド・スウェット」あたりのメドレーは、鳥肌が立つ思いで聴いたもんです。
https://open.spotify.com/album/3jbnkGDaYChChu5Cs8LEvD?si=JgkYBTG8QkiEisqnOTiuJw

 

・キング・サニー・アデ『シンクロ・システム』(1983)

 上京したばかり23歳のとき深夜の一室で聴いていたFM番組から流れてきた謎のグルーヴ。背筋に電流が走りました。それがサニー・アデの「シンクロ・フィーリングズ 〜イラコ」。おそらく人生で初めて聴いたアフリカン・ポリリズム。ワールド・ミュージック人生がその瞬間はじまりました。MJQ「ジャンゴ」にならぶ人生二大衝撃。
https://www.youtube.com/watch?v=X4MPOo0bwf4

 

・サリフ・ケイタ『ソロ』(1987)

 ヌスラット・ファテ・アリ・ハーンなどもふくめ強靭な咆哮系ヴォーカルをこれで代表させておきます。と同時に柔軟でしなやかな躯体の躍動も想像させるバネの効いた音楽で、このころから数年間のサリフやユッスー・ンドゥールらは、世界と日本におけるブームを牽引していましたよねえ。
https://open.spotify.com/album/62DPGNE8CtgV8OKT8BUzZG?si=qeXTtgGsQCGRszdtvX9bQw

 

・カエターノ・ヴェローゾ『粋な男』(1994)

 根っからのラテン・ミュージック好きっていう傾向をこのフィーリン・アルバムで。そしてブラジル人。どんな分野でも、感情の抑制が効いたソフトでクールでおだやかな表現を最近好むようになっているのは、意外とこのあたりが早い出発点だったのかもしれません。
https://open.spotify.com/album/6fBP4q8gYKo4LU9V6zVT3i?si=zcnptkCDTuinWTXp0SScjA

 

(written 2021.4.9)

2021/04/23

非西洋圏のモスト・フェイヴァリット 9

C3bf9196939d44ff87ce3bc564a674d9

(8 min read)

 

・Carmen Miranda / Imperatriz do Samba(ブラジル、1930s)
・Fairuz / Immortal Songs(レバノン、1950s)
・Saloma / Dendang Saloma(シンガポール、1950s〜60s)
・Elvy Sukaesih / The Dangdut Queen(インドネシア、1970s〜80s)
・鄧麗君 / 淡淡幽情(香港、1983)
・Nusrat Fateh Ali Khan / Live at WOMAD 1985(パキスタン、1985)
・Orchestre National de Barbès / En Concert(マグレブ / フランス、1996)
・Paulo Flores / O País Que Nasceu Meu Pai(アンゴラ、2013)
・Irineu de Almeida e o Oficleide 100 Anos Depois(ブラジル、2016)

 

(カッコ内に記した録音年代順に並べました)

 

なんだか、非英語圏オール・タイム・ベストだとか非西欧フェイヴァリットだとか、そんな音楽リストを書くのがここ数日ちょっとだけTwitterで流行っているような気がします。真似してぼくもやってみました。

 

「非西洋」としたのは、要するにアメリカ、イギリス、ヨーロッパなど世界のメイジャーな音楽産業の外にある音楽というくくりです。日本語母語話者なので日本の音楽も外しました。

 

ベストテンじゃなく9にしたのは、ひとえに上掲画像のように正方形にタイルしたかったから。それだけ。

 

しかしこのセレクションは悩みました。選べなかったもののなかに後ろ髪引かれる音楽家やアルバムがたくさんあり。ほんとうに大好きでよく聴くものだけに限定したわけですが、それでもねえ。同じ国・地域があまり重ならないようにとは配慮しましたけれども、ブラジルが二つになりました。

 

それでもいちおうぼくの非西洋圏音楽についての嗜好というか趣味みたいなものはだいたい漏れなく入れることができたんじゃないかという気がします。だからぼくのワールド・ミュージックの聴きかたはほぼこんなもんです。もっともそれ以上にアメリカン・ブラック・ミュージック好きなんですけれどもね。

 

きょうはそれぞれの紹介項にSpotifyリンクを貼りませんでした。聴けないものが多いからです。それら、CDだっていまや入手がややむずかしいのかもしれませんが、う〜ん、ちょっとなんとかならないのかなあ。テレサ、ヌスラット、ONB、イリニウ・ジ・アルメイダはサブスクにあります。

 

以下、カッコ内の数字はCDリリース年。カルメン、サローマ、エルフィのは日本独自編集盤。それら以外は本国盤を買いました。

 

・カルメン・ミランダ『サンバの女王』(ブラジル、2002)

 アメリカ合衆国に渡ってからも活躍したカルメンですけど、その前、1930年代のこの歌手の飛翔ぶりに匹敵できる歌手が、はたして古今東西どれだけいるでしょうか。技巧も超絶的に最高だけど、それをそうと感じさせない自然なチャーミングさを発揮しているのが驚異。ラテン好きというぼくの資質をこれで。

 

・フェイルーズ『イモータル・ソングズ』(レバノン、1993)

 大好きなアラブ歌謡をフェイルーズで代表させておきます。といってもフェイルーズのばあいウム・クルスームなどのいかにもなアラブ古典系ではなく、ラハバーニ兄弟のプロデュースのもと、モダンなポップスを展開したわけですけどね。炎の情熱をシルクのなめらかさで表現できた稀有な才能でした。

 

・サローマ『ポリネシア・マンボ~南海の国際都市歌謡』(シンガポール、2013)

 マレイシアの歌手ですけれど、このアルバムに収録された音楽を録音した時期のサローマはシンガポールで活躍していて、まだマレイシア樹立前のことです。国際的に洗練されたコスモポリタン・ミュージックで、ジャジーなラテンふうポップスが多いのも好きですね。

 

・エルフィ・スカエシ『ザ・ダンドゥット・クイーン』(インドネシア、2005)

 ダンドゥットは下層庶民歌謡の代表格。だからエルフィも濃厚に妖艶でお色気ムンムン。このアルバムに収録されているプルナマ・レーベル時代は彼女の全盛期でした。同国のクロンチョン歌手ヘティ・クース・エンダンに通じるようなサッパリしたナチュラル風味をも発揮することがあり。魅力をふりまくエルフィにはヤミツキになるパワーがあります。

 

・鄧麗君『淡淡幽情』(香港、1983)

 日本でもテレサ・テン名でおなじみ。台湾生まれ、東アジア全域で大活躍しました。中国語で歌ったこの最高傑作(香港盤がオリジナル)は、近年ぼくがいだきつつある<歌手とはどういうものなのか>の理想型にあるともいえ、自然体で、おだやかな菩薩のように聴き手を優しく抱擁するそのヴォーカルは、実はとんでもないスゴミに満ちています。

 

・ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン『ライヴ・アット・ウォマド 1985』(パキスタン、2019)

 いっぽうで、強く声を張りぐりぐりコブシをまわすハガネのように強靭な咆哮系ヴォーカルも大好きなぼく。そんな趣味を、ヌスラットの、このひょっとしたら最高傑作ライヴと言えるかもしれないもので代表させます。サリフ・ケイタとかユッスー・ンドゥールとか、あるいはアマリア・ロドリゲスなんかもこれで。

 

・オルケストル・ナシオナル・ドゥ・バルベス『アン・コンセール』(マグレブ/フランス、1997)

 ライ、シャアビ、グナーワなどひっくるめた汎マグレブなミクスチャー音楽ですね。マグレブとはモロッコ、アルジェリア、チュニジアなど北アフリカ地域のこと。ライヴでもりあがるこの熱の高さは異様。ONBのこのアルバムとの出会いは、ぼくのアラブ系音楽好きの素地をつくったもの。バンドの演奏はジャズ・フュージョン系の熟練テクニックでもありますね。

 

・パウロ・フローレス『オ・パイス・ケ・ナスシウ・メウ・パイ』(アンゴラ、2013)

 ブラック・ミュージックをやっぱり一つは入れておかないと。これがきっかけでアンゴラのセンバにすっかりハマってしまいましたが、ある意味21世紀の汎世界的ブラック・ミュージック集大成みたいなアルバムかもしれません。グルーヴィで、哀しく、美しい音楽。

 

・『イリニウ・ジ・アルメイダ・エ・オ・オフィクレイド・100・アノス・ジポイス』(ブラジル、2016)

 ジャズがきょうのくくりからは外れるため、インストルメンタル・ミュージック好きという嗜好をこれで。でもショーロはジャズより長い歴史がある音楽なんですよ。かけっぱなしにして部屋のなかでずっと流していて快適、BGMにしてよし聴き込んでよし。30年に一作レベルの傑作です。

 

(written 2021.4.21)

2020/12/31

21世紀のベスト20

0ac40e0ce5bf46d292f46aded77d9741

(12 min read)

 

https://open.spotify.com/playlist/1xolB6fHdllwTyjLqfwyAx?si=vmLjnijeQt-nty7dGKzNpA

 

21世紀に入り今年で20年が経過したということで、今世紀のベスト20アルバムというのを選んでみよう、自分のための記録として残しておこう、と思い立ちました。

 

基準は時代を代表しているかということよりも、自分のフィーリングにピッタリ合っているか、聴いていて楽しいか、なんども再生したかということです。

 

したがって、あくまで “ぼく好みの” 21世紀ベスト20。リリース年順に並べました。

 

1)坂田明 / Fisherman’s.com(2001、日本)

285

日本民謡をヒップ・ホップ以後の先鋭的なジャズ・ビート感覚でヘヴィなダーク・ファンクに変貌させたという、突出した異形。ほんとうにカッコいいのに、話題にならないのはなぜなのか。Spotifyでグレー・アウトしている曲はYouTubeで探してみてください。
https://open.spotify.com/album/54xWKhuZjQdqGf3N2Awmik?si=zsQHYlg9SPiJEvoEUzOxvQ

 

2)Tinariwen / Amassakoul(2004、トゥアレグ)

Tinariwenamassakoul

いわゆる砂漠のブルーズ。21世紀の最初の10年(ゼロ年代)はティナリウェンのデケイドだったと言えるんじゃないですか。そんな時代を代表する音楽とぼくの嗜好とがピッタリ合致したのは幸せなことでした。
https://open.spotify.com/album/5FPDGVaIIfWVH79NJoslSe?si=pYbBxC6ITkWma0V6bMtwoQ

 

3)Sona Jobarteh / Fasiya(2011、ガンビア/イギリス)

Unnamed

ガンビア系ロンドナーのグリオ、ソナ・ジョバーテを知ったのは2018年のこと。曲を書き、コラやギターなど各種弦楽器を弾きながら歌い、バンドのグルーヴィな演奏(特にドラマーがいい)もあいまって、これ以上ないほどの快感をもたらしてくれますね。ほんとうに爽快な音楽で、くりかえし聴きたくなるヤミツキの味です。
https://open.spotify.com/album/7h7MgG54nO4RvaPj01CEX6?si=HaKWa_9GTJ27BBaOgzoP8w

 

4)SakakiMango and Limba Train Sound System / oi!limba(2011、日本)

81osekpuznl_ss500_

これもアフリカン・ルーツの音楽ですが、やっているのは日本人。しかも鹿児島の一地方というローカル・ベースに根差してみごとに発信したという充実作。これぞまさしく “グローカル・ビーツ”。発売当時はすごいすごい!と毎日聴いていました。
https://open.spotify.com/album/1dDbzYEtnQmW5DLEjbitQv?si=whV8U35HRJCKW52u8uFYXQ

 

5)Nina Wirtti / Joana de Tal(2012、ブラジル)

818nwgpgjil_ss500_

知ったのは2018年になってから。こんなにもチャーミングでかわいいサンバ・ショーロがあるんだなあって、マジで惚れちゃいました。アルバムも短いので、なんども続けてくりかえし聴ける楽しい音楽。
https://open.spotify.com/album/0Oivkm8f3O3YIIvPEJJr05?si=l-hQvjH_QYSKH-KokD8POw

 

6)Paulo Flores / O País Que Nasceu Meu Pai(2013、アンゴラ)

R523376513883072725042jpeg

2017年に知った(その年になって日本で買えるようになったんだったはず)アンゴラのモダン・センバ。こんなにものすごい音楽があったんだという、21世紀の汎ブラック・ミュージック最高傑作かも。センバを知ったことは、ここ10年ほどの個人的音楽生活クライマックスの一つです。現在Spotifyからなぜか消えています。
https://open.spotify.com/album/6aS5aVX3EKAPieBrDFzLCz?si=g2b0BXrPTpKfLVPSEQZHiw

 

7)HK Présente Les Déserteurs(2014、アルジェリア/フランス)

Unnamed_20201230134001

アルジェリア・ルーツの在仏音楽家HK(アッシュカー)が、シャンソンの数々をアラブ・アンダルースなシャアビ・スタイルで料理した充実作。つまらないと思うことの多いシャンソンも、こんなふうにやれば本当に楽しくグルーヴィ。
https://open.spotify.com/album/6OlZXEsBuOaKnbCrScwiWt?si=dKr7FiFqT8mPSlRsccca2A

 

8)Dorsaf Hamdani / Barbara Fairouz(2014、チュニジア/フランス)

81vhcleamwl_sx355_

2014年暮れの発売でしたので、買ったのは2015年。もういやというほど聴き狂いました。シャンソン(バルバラ)とアラブ歌謡(フェイルーズ)を、斬新なアレンジと歌手の力量で融合させた意欲作。
https://open.spotify.com/album/1GDQ89kQyz1755fry29kVm?si=89sZJlJgRWK-oY3uhumaoA

 

9)Faada Freddy / Gospel Journey(2015、セネガル)

71lmz4xdbql_ss500_

セネガルの、アフリカの、という枕詞も必要ない、世界に通用する普遍的なポップネスを持つ傑作です。スピリチュアルでダウナーなサウンド・スケープはまさにいまの時代の音楽でしょう。
https://open.spotify.com/album/5yEEGo0p4rgsHsenkDEt0t?si=0qDXw_CsQzidn__3i-vl4w

 

10)Rumer / This Girl’s in Love: A Bacharach & David Songbook(2016、イギリス/アメリカ)

51ubpevvtql_sy400_

今年知ったばかりの歌手、ルーマー。このバカラック集は、曲の資質と歌手の資質とぼくの嗜好が完璧に三位一体で一分の隙なく合致した文句なしの一作です。あまりにも美しく、そして音楽的。ルーマーは近年のアメリカーナ・シーンと共振する部分もあるんじゃないでしょうか。
https://open.spotify.com/album/6GCJb3dvt1ioLYCIZNYNYR?si=vPA4XJ5TSg-RuQdRLs6dIg

 

11)Irineu de Almeida e o Oficleide 100 Anos Depois(2016、ブラジル)

Irineudealmeidaeooficleide

オフィクレイドという失われた低音管楽器の再発見がきっかけで誕生したこのイリニウ・ジ・アルメイダ曲集、21世紀の20年で五作にしぼれ、いや、ベスト1はどれ?と問われても、これを推したいと思うほど。クラシカルなスタイルそのままのショーロでありかつノスタルジーじゃないっていう、30年に一枚レベルの大傑作です。
https://open.spotify.com/album/66VYD6RWN2iY6zrLPyFBSg?si=dbLfOzF3R2CE_Lwn2ct1xQ

 

12)Lệ Quyên / Khúc Tình Xưa - Lam Phương(2016、ヴェトナム)

Lequyen2016

(一部で?)熱烈なファンを持つ抒情派ロマンティック・バラード歌手。良作が多いですが、いつもは濃厚かつ重く劇的に歌うレーが、抑制を効かせおだやかに軽くさっぱりした感じで歌った、いまのところの最高傑作と思う2016年のラム・フォン集をあげておきます。
https://open.spotify.com/album/6tU12rqkM74LsmPAm5scy0?si=VXjex_3KRT6NXoVK0RSxFg

 

13)Hiba Tawaji 30(2017、レバノン)

R1088737915059779878940jpeg

マライア・キャリーの影響を消化するところから出発し、いまやアラブ世界を代表する実力歌手の一人にまで成長したヒバ・タワジ。技巧先行みたいな側面も薄れ、高度に洗練されたポップスを歌の内容で聴かせる立派な充実作でした。
https://open.spotify.com/album/2bWSCz86y72WFTDN1L18V4?si=bNtYAF7ISUyXafe6EDk7uw

 

14)Iona Fyfe / Away From My Window(2018、スコットランド)

R1351768415557059118703jpeg

真摯なフォーク歌手でありながらポップに聴かせる力量もあわせ持ち、時代とも響き合うアイオナ・ファイフのこのデビュー・フル・アルバムは、まるで無垢な宝石みたいな透徹した輝きを放っていました。その後の伸び悩みも今後解消されていくものと期待しています。
https://open.spotify.com/album/324FKjzNz20DnQw2HNzAx8?si=SM2rQFXhQP6prOeWkVu-pw

 

15)坂本冬美 / ENKA III 〜 偲歌(2018、日本)

61ip8r6ebil_ac_

2016年から三年連続でリリースされた坂本冬美の『ENKA』シリーズ三作。有名演歌スタンダードの数々を、フィーリンみたいなふわっと軽くクールなアレンジと、エモーションを殺し抑制を効かせたおだやかなヴォーカル表現で料理してみせ、新しい領域を切り拓きました。演歌が廃れた「演歌以後」の時代である2010年代に登場した新感覚演歌、いわばポスト演歌です。
https://open.spotify.com/album/4N1LO6cSf23N1eiYRWcBOY?si=uzaUR2FPTr2MbCmkH0FyEA

 

16)Martinho Da Villa / Bandeira Da Fé(2018、ブラジル)

500x500_20201230134301

ベテラン・サンビスタのマルチーニョにして、この2018年作は新進の気概に満ちたニュー・サンバでした。1曲目からもうぐんぐん引き込まれる斬新な曲構成で、その後もファドふう歌謡サンバがあったかと思うとパーカッシヴなアフロ・ダンス・サンバもあり。背筋が凍りそうな不穏でダークで落ち着かないムードも表現していて、サンバでここまで2010年代的な時代の空気を的確に表現したものってないのでは。
https://open.spotify.com/album/4GpCmApC3QXUoeBguSqrHT?si=KcRAaoYGSq-8CAY9OcDqjg

 

17)Pinhas and Sons / About an Album(2018、イスラエル)

1008173946_20201230134401

真のワールド・フュージョン。日本では2020年に知られるようになったばかりですが、この先10年はないだろうという絶大なる衝撃でした。世界中のさまざまな音楽を混淆して意匠を凝らした緻密な難曲を超絶技巧で苦もなくこなしながら、楽しく聴きやすい愉快なポップ・ミュージックに仕立てあげる手腕は圧倒的で、稀有。20年のベスト3に入りますよね。
https://open.spotify.com/album/32yMMRYayASOhFb606XuAl?si=KpMKdZAtT6uril6VuTpZYQ

 

18)Angham / Hala Khasa Gedan(2019、エジプト)

R1330362015517194143612jpeg

2018年、19年と立て続けに傑作をリリース、ただいま歌手人生で最も充実した時期を送っているであろう絶頂期アンガーム以上の存在は、いまアラブ圏にいないはず。こんなにも美しくとろける耽美の世界がどこにあるというのでしょう。
https://open.spotify.com/album/05enmrBRGHjSeAzjSvh64M?si=wL_KG9yxSg2h5D8TGNi1VQ

 

19)岩佐美咲 / 美咲めぐり〜第2章〜(2019、日本)

71bgtlgxhrl_ac_sl1334_

2017年に出会って以来現在最も愛好する歌手が、2010年代的新感覚派、ポスト演歌の若手旗手、岩佐美咲。なにか琴線に触れる部分があるんです。演歌歌手の常道としてシングル盤中心の活動なので、すぐれた歌唱もシングル表題曲とそのカップリングにありますが、昨年リリースの最新アルバムをあげておきました。Spotifyにあるのはシングル表題曲だけなので、いちおうそれを。
https://open.spotify.com/playlist/3OxWmOFVeufNKmqHV3BTdV?si=F7ij6-edRpCbb5u7iO1BEA

 

20)Immanuel Wilkins / Omega(2020、アメリカ)

7133ergfzgl_ac_sl1400__20201230134501

21世紀、特に2010年代以後は、ジャズが再活性化したということが音楽シーンの大きな特徴としてあげられるでしょう。アップ・トゥ・デイトなビート・センス、ソロとインプロヴァイズド・アンサンブルのバランス感などなど、新しい表現が聴かれるようになっています。若手アルト・サックス奏者イマニュエル・ウィルキンスのデビュー作は、そんな新時代の表現法で黒人ならではのパッションをぶつけてみせた傑作でした。
https://open.spotify.com/album/2MxcrtQBHD4YbrPdCJaAY0?si=xx4BLIJyQImgy8n_ZWOLbg

 

〜〜〜

ほかにもシェバ・ジャミラ(アルジェリア)のライヴ、ベイルート(アメリカ)、マレウレウ(日本)、ソーサーダトン(ミャンマー)、ニーナ・ベケール(ブラジル)、ジョアナ・アメンドエイラ(ポルトガル)、ハッサン・ハクムーン(モロッコ)、ゴチャグ・アスカロフ(アゼルバイジャン)、アラトゥルカ・レコーズ(トルコ)など、選びたかった作品がいくつもあり、ずいぶん悩みました。

 

21世紀最初の10年の作品が少ないのは、ログが残っていないからです。1995年からずっと年間ベストテンを選びネットで発表し続けていますが、それを記したもとのテクスト・ファイルは2012年分からしか持っておらず、2005年にmixiをはじめる前のものは、もはや検索もできません。

 

だから、2004年までに愛聴した作品でなにか大切なものを忘れているんじゃないかという気がとてもしますが、思い出すよすががないんですからやむをえないです。

 

さあ、次の20年後まで元気でいられるでしょうか。

 

(written 2020.11.6)

2020/12/30

2020年ベスト10アルバム

2be958320cc54f91b3bcdd133662ee1f

(5 min read)

 

https://open.spotify.com/playlist/5PO4zAUT1vnK9So74MocvB?si=zOByqN5gQ6iolUfQZS1V0A

 

今年から新作篇だけ。おおみそかに発表すると昨年から決めたんですが、今年だけはあした特別な企画を用意していますので、きょう出します。

 

毎年のことながら、傑作だとか時代を代表するだとかいうよりも、自分の好みやフィーリングにぴったり合うか、くりかえし聴いたか、で選んでいます。

 

すべてSpotifyで聴けます。

 

(1)Pinhas and Sons / About an Album(イスラエル、2018)

1008173946_20201229132801

今年になって日本に入ってきましたが、もうこればっかり聴いています。夢中です。真のフュージョン、ワールド・ミュージックだと思いますねえ。高度で複雑で難解な構成と技巧が、心地よく聴きやすく耳なじみのいい明快でポップな音楽性を下支えした大傑作。
https://open.spotify.com/album/32yMMRYayASOhFb606XuAl?si=LRtVVnQ6RQKtwI57alg47w

 

(2)Rumer / This Girl’s in Love: A Bacharach & David Songbook(イギリス/アメリカ、2016)

815sul1p65l_sl1500_

四年も前のアルバムを選ぶのはどうかと思ったんですけど、これほどの宝石を知ってしまって無視することなど不可能。それほど美しい。ピンハス・アンド・サンズに抜かれるまでは、今年いちばん聴いた、いちばん惚れた作品でした。
https://open.spotify.com/album/6GCJb3dvt1ioLYCIZNYNYR?si=5zzWod4rSzC890M61zlOLQ

 

(3)Immanuel Wilkins / Omega(アメリカ)

7133ergfzgl_ac_sl1400__20201229132901

若手ジャズ・アルト・サックス奏者のデビュー作。今年も暮れになってこんなとんでもない傑作に出会ってしまうとは、大きな衝撃でした。強いパッションを新時代の新感覚ビート・スタイルに乗せて表現するカルテットの高い熱量に圧倒されました。
https://open.spotify.com/album/2MxcrtQBHD4YbrPdCJaAY0?si=iUJJjAvQRw-SDQ1piVoBMQ

 

(4)Kat Edmonson / Dreamers Do(アメリカ)

81eirndu1hl_ac_sl1500_

とりあげているのはディズニー・ソングばかり。それをワールド・ミュージック的な視点から選んだ楽器とアレンジで斬新に料理し、いままでにないまったく違った様相に変貌させた手腕には脱帽です。コラとタブラを使った「星に願いを」とか、サンバになった「あななの夢ばかり」とか、いままでにあったでしょうか。
https://open.spotify.com/album/48vMJyoBaAUs7mRtVnENwh?si=5Frreq0fRSiILZrKOBPrdw

 

(5)Chelina / Chelina(エチオピア、2018)

Screen-shot-20201228-at-154433

都会的に洗練されたモダン・ポップス。もうゾッコンで、一月ごろは毎日聴いていました。オーガニックなネオ・ソウル〜コンテンポラリーR&B的な色彩感が強く、ジャジーでもありますね。
https://open.spotify.com/album/3HtNWmhwolwjvqAV1RcJZK?si=PvjeiGPeQDGA6Lz8HUptTw

 

(6)Dino D’Santiago / Mundu Nôbu(ポルトガル、2018)

1008042837

ジャケットがいいので、それだけで聴いてみたくなります。デジタルな打楽器音をメインに組み立てる点描画法的なサウンド構築が大の好み。ダウナーでダークなサウンドスケープはいまの時代の音楽ですね。
https://open.spotify.com/album/2lNJ5yRhrfNmLgVWR7TGtw?si=Gem9M9qFTviEaIWBBeSatw

 

(7)Dilek Türkan / An(トルコ、2018)

Screen-shot-20201228-at-154456

オスマン/トルコ古典歌謡。2018年の曲と1918年の曲をそれぞれやって同国100年の古典歌謡を俯瞰してみせた意欲的大作ですね。個人的にはギターやドラムスなども入った2018年分のモダンなふくよかさがお気に入りですが、オーソドックスで痩身な1918年分もみごと。
https://open.spotify.com/album/2JPi563PQa2U98d0rRcssP?si=sNtj2CExRwyd2hIkH1eG6Q

 

(8)Siti Muharam / Siti of Unguja: Romance Revolution on Zanzibar(ザンジバル)

Screen-shot-20201228-at-154510

ベースとバス・クラリネットを中心とした低音メインのおどろおどろしくジャジーなターラブ・アンサンブルが魅惑的。主役歌手のヴォーカルもいいけど、バンドの演奏に聴き入りました。
https://open.spotify.com/album/3PFSo4rIUsm5YPOzxUSYe2?si=5AmqUWq1QF66_RoiMjSIbg

 

(9)Os Matutos / De Volta Pra Casa(ブラジル、2019)

1008049497

古典的そのままのショーロ・ミュージックは、いつだって好物です。このアルバムはその上、かわいくてキュートな魅力にあふれていました。オフィクレイドでエヴェルソン・モラエスが参加しています。
https://open.spotify.com/album/4oNIR1hnxTo6GtGvI11TFO?si=rAA-el14R3ug8RQ2MByl2A

 

(10)Nihiloxica / Kaloli(ウガンダ)

A2639495140_10

ゴシックなエレクトロ・パーカッション・アンサンブル。ウガンダ現地の伝統リズムをベースに、現代的なクラブ・ビート感覚とも共鳴する内容で、おおいに感心しました。
https://open.spotify.com/album/60zIn86oH8QkyU2ry5z8hc?si=K3u9wjjIRNC1x2qjEeCVKw

 

ーーー

やむなく選外としたものを一部ご紹介。

・Karyna Gomes / Mindjer(ギネ・ビサウ、2014)
・Kem / Love Always Wins(アメリカ)
・里アンナ&佐々木俊之 / Message II - Reincarnation -(日本)
・SHIRAN / Glsah Sanaanea with Shiran(イエメン)
・Incesaz / Peşindeyim(トルコ、2017)
・Gustavo Bombonato / Um Respiro(ブラジル、2018)
・Lianne La Havas / Lianne La Havas (イギリス)
・Brian Lynch Big Band / The Omni-American Book Club: My Journey Through Literature in Music(アメリカ、2019)
・Soggy Cheerios / III(日本、2019)

リイシュー・発掘ものでは、プリンスの『サイン・オ・ザ・タイムズ』スーパー・デラックス・エディションをよく聴きました。

 

(written 2020.12.4)

フォト
2022年10月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
無料ブログはココログ