カテゴリー「べスト・セレクション企画」の29件の記事

2023/07/23

最近のお気に入り 2023 夏

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(40 sec read)

 

最近のお気に入り 2023 夏

https://open.spotify.com/playlist/0iy6kG4WtHrGVXin44kGlU?si=eb1ab1699d1b4e1a

 

愛媛県地方は7/21に梅雨明けしましたし。

 

1 LioLan / nanikasa(日本)

2 LINION / Listen to Me(台湾)

3 Janet Evra / Tenderly (US)

4 Laufey / From the Start(アイスランド)

5 Simon Moullier / Phoenix Eye (US)

6 Omara Portuondo / Duele(キューバ)

7 Smokey Robinson / You Fill Me Up(US)

8 Dudu Tassa, Jonny Greenwood / Ahibak(イスラエル、UK)

9 Chembo Corniel / Evidence(US)

10 Chien Chien Lu, Richie Goods / Rain(台湾、US)

11 9m88 / 若我告訴你其實我愛的只是你(台湾)

12 Airi / ワインレッドの心(日本)

13 New Cool Collective, Alma Quartet / Op.127: II Adagio(オランダ)

14 Sarah Kang / It’s You I Like(韓国)

15 Joe Lovano / My Little Brown Bag(US)

 

(written 2023.7.22)

2023/06/29

#2023年上半期ベストアルバム

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(1 min read)

 

My Best Songs 2023
https://open.spotify.com/playlist/2x0WiShL9KgF5KtuNJXKqd?si=b2ba81d8f99044a0

 

個人の趣味で選出。九作なのは画像をタイルしたいから(だから四でもよかったけど)。上半期は、今年か近年リリースものに限定。

 

1)中村海斗 / Blaque Dawn(日本、2022)

衝撃だった新人ジャズ・ドラマーの登場。複合的でポリ・レイヤードなリズムを、新世代らしく汗くさくならずさわやかに叩き出す。サックスの佐々木梨子も驚異的。

 

2)Rachael & Vilray / I Love A Love Song!(US)

レトロなスウィング・ジャズ・ノスタルジアが楽しい。

 

3)Emmaline / All My Sweetest Dreams(US、2019)

1970年代ふうさわやかシティ・ポップ。クールでとってもいいね。19年作はちょっと前すぎる?

 

4)Smokey Robinson / Gasms(US)

妖美で中性的なアダルト・シティ・ソウル。

 

5)Kimi Djabaté / Dindin(ギネア・ビサウ)

3曲目「Alidonke」がダンサブルでとにかくカッコいい。

 

6)和久井沙良 / Time Won’t Stop(日本、2022)

ジャンルにとらわれず、ジャズとロック、ポップスを自在にクロスさせる身軽さが魅力。

 

7)Joe Chambers / Dance Kobina(US)

ベテラン・ジャズ・ドラマーの最新アルバムはアフロ・ブラジリアンな視野を駆使した野心作。

 

8)Fabiano do Nascimento / Lendas (ブラジル)

空気みたいにふわっとただようおだやかで静かな美しさ。マッサージのような癒し系。

 

9)Janet Evra / Hello Indie Bossa(US)

これまたレトロな60年代ふうのジャジー・ボッサ・ポップス。ヴァイブが特に好き。

 

(written 2023.6.20)

2023/04/02

最近のお気に入り 2023 春

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(50 sec read)

 

最近のお気に入り 2023 春
https://open.spotify.com/playlist/2dZA6YzQ9T23MknGuAt6iQ?si=883be62fe463419d

 

松山地方はだいぶ暖かくなりました。さくらもちょうど満開。

 

1) Donald Fagen / I.G.Y. (live) (US)
2) Febian Reza Pane / Valsa (Bebel: Como são lindos os youguis)(ブラジル)
3) Joyce Moreno / Estate(ブラジル)
4) 中村海斗 / Blaque Dawn(日本)
5) Fabiano do Nascimento / Retratos(ブラジル)
6) Kimi Djabaté / Alidonke(ギネア・ビサウ)
7) Carmen McRae / It’s Like Reaching for the Moon(US)
8) Joe Chambers / Caravanserai(US)
9) 江玲 / One Way Ticket(香港)
10) Weather Report / Dream Clock (US)
11) Samara Joy / Guess Who I Saw Today (US)
12) Emmaline / Ruby (US)
13) 青田典子 / 別れの予感 (日本)
14) 富井トリオ / 恋の果て (日本)
15) Nina Becker / Outono (ブラジル)

 

(written 2023.3.29)

2023/01/22

最近のお気に入り 2022〜23 冬

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(1 min read)

 

最近のお気に入り 2022〜23 冬
https://open.spotify.com/playlist/6GTVqv4eYB76hb9l4OQ94u?si=8a7c79cad6214d07

 

1)Rachael & Vilray / Is a Good Man Real?(US)
2)Kim Tae Chun / Christmas(韓国)
3)和久井沙良 / tietie(日本)
4)Mica Millar / Will I See You Again(UK)
5)J.J. Johnson / It Could Happen to You(US)
6)Sarah Kang / about time(韓国)
7)梅朵 / 今生有幸遇见你(中国)
8)Laufey / Valentine(アイスランド)
9)Crystal Thomas / Can’t You See What You’re Doing to Me(US)
10)Dilek Türkan / Pencerenin Perdesini(トルコ)
11)薛詒丹 / 沙發危機(台湾)
12)Miles Davis / In Your Own Sweet Way(US)
13)山中千尋 / Today Is Another Day(日本)
14)Chet Baker / That Old Feeling(US)
15)Lake Street Dive / So Far Away(US)
16)Emma Smith / I’ve Got My Love to Keep Me Warm(UK)
17)Linsey Webster / Stay with Me(US)
18)Eddie Condon / Beale Street Blues(US)
19)Angela Strehli / Ace of Spades(US)
20)Hailey Brinnel / I’ll Follow the Sun(US)

 

最近よく聴いているものってことですから、リリースは古いものもあります。

 

(written 2023.1.15)

2022/12/30

ベスト・アルバム 2022

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(2 min read)

 

My Best Songs 2022
https://open.spotify.com/playlist/6dVHmu1vZhUQyYf9c2GojA?si=10f4dca563ec43c2

 

評価とかデータ面じゃなく、個人的印象や愛好フィールの強さで順に並べてあります。

 

1)Laufey / The Reykjavík Sessions(アイスランド)

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もう息の音までも好き。
https://open.spotify.com/album/6ETdl4OHcpXhMQdLWstM2G?si=gs_QJo-KSIi2FIFGaFV1mA

 

2)Patricia Brennan / More Touch(メキシコ)

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2021年はじめから応援しているヴァイブラフォン奏者の新作は、今年のジャズでNo.1の内容になりました。
https://open.spotify.com/album/68FjddVbbxBB0qI58Lsqu6?si=ac9Jr2aTR1u4iYWtYySuKQ

 

3)孙露 / 忘不了(中国)

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こうした静かなおだやか系ポップスこそ、いまのぼくの最愛好品。鄧麗君のカヴァーも二曲あり。
https://open.spotify.com/album/1UL8CRnyaqwSlBjWvodInI?si=HenCuYTHTc2PlwoHedZH8A

 

4)L8ching / Dive & Give(台湾、2021)

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都会的洗練(=退廃)のきわみ。特に4曲目での異要素接合ぐあいにはほんとうに感心しました。
https://open.spotify.com/album/1Zl1TH7j0cZEHf03ScvES2?si=NdYTMf7RQ76ZIDv77b4C6Q

 

5)原田知世 / fruitful days(日本)

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語らずとも知れたいちばん好きな歌手というか音楽。
https://open.spotify.com/album/4qEzXvDAgusrcMi5O5dWr7?si=8sJ__GuSQPqU6gA7L6z-wA

6)Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(アメリカ)

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これもよく聴きました。やはりレトロ&オーガニック路線のアメリカン・ポップスで、2020年代のトレンドをかたちづくっているもの。
https://open.spotify.com/album/0CNhXKYx4kOOZrelgXiGUr?si=qJmylaz3TtegWuqWJ7N7Vg

 

7)Nduduzo Makhathini / In The Spirit of Ntu(南アフリカ)

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今年のジャズ新作ではパトリシア・ブレナンと並び抜きに出ていましたね。夏ごろまでは年間一位にしようという気分でした。
https://open.spotify.com/album/3UnSb3V4gzrt2ofjYfsLDl?si=Twe5_04IQ1iWOYOKh_Y8cQ

 

8)大西順子 / Grand Voyage(日本、2021)

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ピュアな肉体派の快感を追求したがんがんくるジャズ・ピアノ。こういうのに出会うといまだゾクゾクします。
https://open.spotify.com/album/6gzWFN7EHXqlNTvP7iKLP3?si=dEGMOVMfRUWlAh6XkAf0fg

 

9)Here It Is: A Tribute to Leonard Cohen(アメリカ)

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コロナ時代ならではの現代的形象をまとったレナード・コーエン・ソングブック。沈鬱だけど、暗さとないまぜの鈍く輝くあざやかさがあり。
https://open.spotify.com/album/7dcCXRBgb3p86KCg4ZUTff?si=FL_ziiEnQpGM0zCuhZMDRQ


~~~

(参考)再生回数順の2022年新作リスト

1)原田知世 / fruitful days(日本)
2)Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(アメリカ)
3)岩佐美咲 / アキラ(日本、2021)
4)Edu Sangirardi / Um(ブラジル)
5)Laufey / The Reykjavík Sessions(アイスランド)
6)Laufey / Everything I Know About Love(アイスランド)
7)Steve Dawson / Gone, Lone Gone(カナダ)
8)Flora Purim / If You Will(ブラジル)
9)Nduduzo Makhathini / In The Spirit of Ntu(南アフリカ)

※ そしてこれらよりずっと過去作を聴きました。

 

(written 2022.12.3)

2022/12/28

「でもぼくのためじゃない」〜 my favorite torch songs(英語圏篇)

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(3 min read)

 

my favorite torch songs
https://open.spotify.com/playlist/2zfyPmq1QYn4vPQwYqS4J7?si=99e52bb774c54f20

 

いちばん好きな失恋の歌はプリンスの「ナシング・コンペアーズ・2・U」。そのほか好きなトーチ・ソングばかり15曲集めて約一時間のプレイリストにしておきました。つらく切なく美しくて崇高で、実にいいですよねこの世界。

 

1 Prince / Nothing Compares 2 U
2 Laufey / Let You Break My Heart Again
3 Mica Miller / Will I See You Again
4 Chet Baker / But Not for Me
5 J.J. Johnson / It Could Happen to You
6 Carmen McRae / It’s Like Reaching for the Moon
7 Billie Holiday / These Foolish Things
8 Laufey / Falling Behind
9 Miles Davis / It Never Entered My Mind
10 Derek & the Dominos / I Looked Away
11 Willie Clayton / I’d Rather Go Blind
12 Allen Toussaint / Long, Long Journey
13 Billie Holiday / Solitude
14 Frank Sinatra / One for My Baby
15 Derek & the Dominos / Thorn Tree in the Garden

 

離別や失った恋ばかりでなく、はなからうまくいかない恋、届かない恋、片想い、妄想、内気な臆病さ、失意の予測、諦観と落ち着き、懐古、曇り空など、トーチ・ソングの内容はさまざま。

 

セレクションを一曲一曲説明はしませんが、2、8レイヴェイ、3ミカ・ミラーあたりは一般的にまだ無名どころでしょうね(後者なんかぜんぜん?)。11ウィリー・クレイトンもひょっとしてそうかな。

 

ウィリーを選んだのには理由があって、大好きな失恋歌「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」を入れたかったんですが、本命スペンサー・ウィギンズのがサブスクにないんですよね。それでウィリーのを。これもいいです。

 

それら以外は説明不要。失恋ソングといっても、そんな深刻で悲しく落ち込むようなものよりも、うんそれもいいんだけど、曲調はわりと明るく楽しげにスウィングしているものが多いような気がします。そんでもって孤独で気高い。

 

それが個人的に好みだというばかりでなく、そもそもトーチ・ソングの世界とはそういうもの。歌詞にあまりのめり込みすぎないインストルメンタル・ジャズに長年親しんできたからっていうのもありそうですけどね(といっても今回はそんなに選ばなかった)。

 

個人的にはアロマンティックゆえ、これといった大きな恋愛も失恋も人生でしてこなかったんですが、そういう歌を聴いてなんとなくファンタジー気分にひたったりするのは快感で大好き。他人事ですけど、没入しすぎない距離感も音楽には大切です。

 

(written 2022.12.25)

2022/12/03

今年は知世ばかり聴いた 〜 SpotifyWrapped 2022

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(3 min read)

 

Your Top Songs 2022
https://open.spotify.com/playlist/37i9dQZF1F0sijgNaJdgit?si=f6e6861053e94aa3

 

今年も出ましたSpotifyWrapped(Spotifyまとめ)によれば、2022年のぼくは原田知世ばかりくりかえしくりかえし聴いたみたいです。主観的実感とすこし違うっていうかこんなに聴いたっけ?と不思議な気分もしてくるくらいですが、データは正直ですよね。

 

とにかく上掲スクショのとおり今年は合計14,939分も知世を聴いたそうですから。約497時間。平均で毎日一時間以上聴いている計算です。そしてこれはSpotifyで知世を聴いているリスナー中上位0.005%に入る数字らしいので、こりゃもうほぼ一位じゃんね。

 

最大の理由は昨年12月28日にプレイリスト『ベスト of 伊藤ゴロー produces 原田知世』を作成したことに違いありません。自賛もあれですがよくできているんですよね。じっさい好評だったし、その付近からレトロ&オーガニック指向なポップスが個人的にもトレンドになっていましたが、流れにこのうえなくピッタリはまりました。
https://open.spotify.com/playlist/3r71Pfsc3i5TEG8Olz6fRP?si=541823f94a954e82

 

このプレイリストを今年はなんどもなんども聴いたので(なんたって気持ちいいからヤミツキ)その結果の知世イヤーになったというわけ。伊藤ゴローがプロデュースする知世こそ、今年のぼくの最愛好音楽に違いありませんでした。

 

そんなわけで年間いちばん聴いた曲も、そのプレイリスト1曲目に選んでおいた「青空の月」(『noon moon』2014)。198回聴き、うち1月19日に最も再生したという事実が、上記のような事情を明白に裏付けていますよね。

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再生回数トップ五曲も、一つ岩佐美咲があるほかは四曲すべて知世で、こんなこといままでなかったよなあ。

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トップ・アーティスト五人は、知世以下マイルズ・デイヴィス、テレサ・テン、孙露、ルーマーで、これはたしかに実感があります。テレサが三位だけどそんな聴いてんの?と思われそうかもですが、孙露(すんるー、中国大陸)に惚れちゃったのもきっかけで。

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なんだかんだいってジャズがいちばん好きなぼくですが、演歌聴きの血がここまで復活しているのも今年の特徴でしょう。五位にヴォーカル・ジャズが来ていますが、これも近年のレトロ・ジャジーなポップス流行によるもの。ロック勃興前の爛熟黄金時代こそぼくの最愛好分野ですから。

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なにもかもあわせてのトータルでは30万1千262分聴いたということで、途方もない数字だよなあと自分でも思うとおり、日本のSpotifyリスナー全体の99.9%よりも多いっていうデータ解析。一日あたり約13時間は音楽を楽しんでいます。毎年ずっとこんな感じの人生。

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(written 2022.12.3)

2022/10/11

#人生を変えたアルバム4選

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(3 min read)

 

https://open.spotify.com/playlist/0kjyX9vGLvDTdI6Bbbe1vx?si=774ee3aa08804f4d

 

っていうハッシュタグがTwitterでここ数日よく流れてきますので、乗っかってぼくもちょっとやってみようっと。でも若いころに出会って生涯にわたる音楽人生を決定づけたものっていうセレクションは既出なので、趣向を変えて、近年の個人的嗜好を変えたもの四選ってことで。

 

え?それも最近いやというほど見ている?そうだよねえ。まあでもそのへんをおおらかに考えていただいて、やっぱりここ一年ちょっとくらいの音楽ライフはおよそこういった音楽に支配されているんだよってことを、ひょっとして今後余生はずっとこれでいくのか、またもう一回変化するか、わかりませんけども。

 

・原田知世のうたと音楽(2022)
・孙露 / 十大华语金曲(2017)
・Chien Chien Lu / The Path(2020)
・Laufey / The Reykjavík Sessions(2022)

 

薄味淡色系ポップスが最愛好になってきているなか、チェンチェン・ルーの『ザ・パス』だけはやや、いやかなりか、ファンキー&グルーヴィな往年路線のブラック・ジャズ。それを台湾人がやっているということだけは現代的かもですけど。

 

そういうのがセレクションに残る、あえて入れた、っていう部分が、数十年間どういう傾向の音楽を愛しながら生きてきたかの刻印みたいなものとしてしっかり自覚できているわけですし、なんだかんだでやっぱりよく聴くものなんです、チェンチェンは。

 

それ以外はがらりと人生様変わりしたなあという感慨があります。しつこく粘っこく濃ゆ〜いノリのぶっとい音楽こそ好きな人生だったのに、もうすっかりあっさりさっぱりな淡白路線に移行してしまい、いまはもうほんとうに心底そういうものが気持ちいい、汗唾みなぎるようなものはできるかぎり遠ざけたい。

 

ふりかえってみたら、そういう嗜好を形成するまず最初のきっかけは2017年に伊藤ゴローがサウンド・メイクする原田知世に出会ったことじゃないかと、いまではわかっています。孙露といいレイヴェイといい、知世が素地をつくってくれていなかったら、ここまでハマっていなかったはず。

 

女優業やタレント業と並行して、いまでも歌手業を持続的かつ積極的にやってくれていること、むしろ近年のほうがヴォーカルに魅力が増すようになっていると聴こえていることなど、知世には感謝しかありませんね。

 

(written 2022.10.9)

2022/08/18

喪失感とノスタルジア 〜 おだやかな音楽

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(5 min read)

 

おだやかな音楽
https://open.spotify.com/playlist/3DL7TLlk72KVeDcKbfnO4r?si=3dd2ed323e9e4e06

 

ここのところの個人的耽溺であるおだやかな音楽。夜だと室外の虫の音がミックスされてはっきり聴こえてくるくらいの静かなものです。こういう人間に変貌し切ったのかいっときだけの気の迷いみたいなもんなのか、もっと時間が経ってみないとわかりませんが、いまの気分はもうすっかりこれ。

 

だから、そんな曲ばかり選んでたくさん並べてプレイリストにしてまとめて聴けばさぞや心地いいはずと思い、実行したのが上のSpotifyリンクです。ぴったり50曲、約三時間半。いまはもうこれさえあればなにもいりません。ヘヴィロテ状態。

 

この『おだやかな音楽』プレイリスト作成にあたり気を配ったことは、自分が心地いいと感じるかどうか?というのがもちろんいちばんですが、三月につくった『My Favorite 100 Tunes』とダブりがないようにということもあります。90曲近くあった素案ではわりと重なっていたので。

 

でも一つだけ例外あり。きょうのほうでは2曲目に選んだルイ・アームストロング(サッチモ)の「ディア・オールド・サウスランド」(1930)。これだけはどうしてもムリでした。好きなんてもんじゃない、心の底から愛しているとしか言いようがないので、この種のどんな自作プレイリストでも外せない必須。

 

その上で一人(一組)一曲ということと、違う音楽家でも同じ曲をやっていたらどっちかを除外するというのもポリシーとして実行しました。それでどうにかこうにか苦労しながらこのプレイリストに。こうした淡々おだやか系に没入するようになったのは2020年すぎごろからなので、過去三年くらいのブログを読みかえしながら。

 

ってことは、ある意味コロナ禍がもたらした心境の変化といったことがあるのかもしれません。根っからのインドア派なぼくで、コロナ以前からずっと部屋のなかでオーディオ・スピーカーから音楽を流して楽しみながらパソコンいじっているだけなんですけど、なおさらいっそう内向きの指向が出てきたのかもしれません。

 

新型コロナウィルス感染症にかんするあふれんばかりの情報に日々接することとなり、もとから外出はしないけど、しようにも控えておいたほうがいいという判断が生じることとなり、なんだかグルーミーな気分に支配されているここ三年ほど。意識はしていなかったものの、知らず知らずのうちに派手で陽気で接触過多な野外向け音楽を遠ざけ、こじんまりしたサロンふうのおだやかな内向きのものを好むようになってきたということがあるかも。

 

きょうプレイリストにしておいたような、こうしたおだやかで、さわやかさすらある静かでクールな音楽って、実はその根底に深い喪失感があって、なにかを失って二度と取りもどせないという失意と絶望に裏打ちされたものだなぁということが、こんなぼくでも最近ようやくわかるようになってきていて、だからこその深みだと思うんですよね。

 

つまりノスタルジアでもあって、二度とそこへ戻ることができないようなつらい気持ち、永遠の喪失を思いなつかしむ気持ちこそ、淡々としたおだやかさの正体かもしれないなという気がします。

 

きょう選んだ50曲の多くに諦観と孤独感が濃厚にただよっていますが、サウンド・テクスチャーとしてダイナミックなものや劇性などはなく、ひたすら平坦にずっと同じ調子で一定の安寧フィーリングを表現しているだけ。そういったなかにディープなエモーションが隠れているんじゃないでしょうか。

 

ぼくら一般人リスナーは、高齢になって喪失と回復不能が避けられない日常となったことを直視するようになり、それでようやくこうした境地にたどりつくもんだと思うんですけども(ぼくはそうだった)、歌手や音楽家というか表現者は、そうまでならない年齢で同じ世界を演じてみせることができる特異な存在ですよね。

 

要するにフィクションということなんですけど、それでこそ癒やされるわけです。あらゆる人間関係がダメなぼくには、フィクションこそが救い。それでふりかえってかえって深く現実を認識することにもつながって、自分自身もそれで変わるし、音楽とか(文学とか映画とか)の持つ力って大きいと思います。

 

(written 2022.8.17)

 

※ 21曲、1時間21分のショート・ヴァージョンも作成しておきました。

https://open.spotify.com/playlist/4AwfruVmZL9MhxqC9uUAEY?si=58cb042c58b84cbd

 

2022/08/15

ここ三年の頻聴9(2022年夏 ver.)

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(5 min read)

 

2540個以上ある過去記事をぜんぶ読みなおす機会がありました(時間かかったぁ)。それで、2019年5月に「ここ三年の頻聴 9」というのを書いていたと思い出し。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2019/05/post-d5b298.html

 

忘れていましたが(たまには読みかえそう)ちょうどまた三年経ったので、2022年夏ヴァージョンの「ここ三年の頻聴9」を書いておきたいと思います。この手のベストものを選ぶのがぼくは好きですね。カテゴリー分けしてあります。

 

この三年のぼくというと、坂本昌之と伊藤ゴローという二名のサウンド・クリエイターにすっかり洗脳支配されてきたとして過言ではありません。おだやかで静かで淡々とした薄塩音楽に傾倒するようになったのだってそれが遠因かも。

 

両者ともそこそこキャリアがあるんですが、それはハマってさかのぼってわかったことで、出会ったのはわりと最近のことですから。そして、そうした音楽傾向の基底にジャズやジャジーな要素がしっかりあるというのも、ぼくみたいな人間には格好でした。

 

以下、愛聴順。プレイリスト(*)だとカッコ内の数字は作成年。

 

1)Chien Chien Lu / The Path(2020、台湾 / アメリカ)

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 左右に持ったマレット二本でガンガン叩いていくファンキーな肉体派ブラック・ジャズ・ヴァイビストのデビュー・アルバム。データはないけど、間違いなくこれを近年いちばん聴いています。
https://open.spotify.com/album/0fo6PcE438y9Ob8cDVF75m?si=Il379FDpRbKlZqPc23Yd1Q

 

2)原田知世 / ベスト of 伊藤ゴロー produces 原田知世(2021、日本)*

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 2017年に出会っていましたが、ここまで聴くようになるとはねぇと自分でも不思議に思うほど伊藤ゴロー・プロデュースのサウンドにもうぞっこん。ジャジーで淡々としたおだやかな薄味音楽で、知世の頼りない声が水を得た魚。2007〜22年の作品群から。
https://open.spotify.com/playlist/3r71Pfsc3i5TEG8Olz6fRP?si=a3a487b3ec584e15

 

3)徳永英明 / VOCALIST BEST(2021、日本)*

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 坂本昌之にも2017年暮れごろ坂本冬美の作品で出会ってはいましたが、完璧に堕ちたのはこの徳永英明のシリーズ(2005〜15)を知ってから。ミリオン売れて坂本の出世作となった模様。全曲カヴァーですが、妙なるアレンジで化かすあまりにやわらかい卓越技に蕩けます。
https://open.spotify.com/playlist/2xVegNiu3RVSvD6fi3RISN?si=f0c4eb70e3a44579

 

4)孙露 / 十大华语金曲(2017、中国)

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 日本に入ってきたのが2021年だったので。一作単位で選ぶと、近年のおだやか淡々系音楽のなかではぼくの知っているかぎり最高傑作と思います。あっさり控えめな中国楽器の使いかたもすばらしく。プロデューサー or アレンジャーを知りたいっ。
https://open.spotify.com/album/3lhzaYDoPziTrjRJRmS86p?si=lnndL25YQWOXIf9yhCDHDQ

 

5)Rumer / B Sides & Rarities Vol.2(2022、アメリカ)

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 イギリスからアメリカに来てピアニスト&プロデューサーのロブ・シラクバリと出会い公私とものパートナーとするようになってからは、もうすっかり落ち着いて人生の充実をみつけたという安心感幸福感が歌にも表れていますので、聴いていてなごめます。
https://open.spotify.com/album/0CNhXKYx4kOOZrelgXiGUr?si=oATKpYogQMeXIWNTeTAXdg

 

6)Donald Fagen / The Nightfly Live(2021、アメリカ)

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 1982年に徹底したスタジオ密室作業で組み上げた音楽を、ワン・タイムの生演奏で再現したもの。ライヴならではの躍動感やイキイキとしたグルーヴを保ったまま一分のスキもない演奏をくりひろげるミュージシャンたちに感服します。
https://open.spotify.com/album/5C5qAs32rM9PXL6MNuxTDp?si=66bwnvyRQhiZgJOVps0xXg

 

7)坂本冬美 / ENKA III 〜偲歌〜(2018、日本)

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 坂本昌之は現代日本で最高のアレンジャー(私見)なので、冬美も一つあげておきましょう。シリーズ最終作となったこれがぼくはいちばん好きですね。古典的な演歌スタンダードがここまで柔和な世界に変貌するなんて、マジックとしか思えず。
https://open.spotify.com/album/4N1LO6cSf23N1eiYRWcBOY?si=4FXMxaHCRMC-sQhXXcgG6Q

 

8)Kat Edmonson / Dreamers Do(2020、アメリカ)

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 ジャジーなリズム・セクションを軸とした伴奏に乗せディズニー・ソングの数々を、それもアッといわせる驚きの斬新アレンジで歌ってみせた、まさに夢を見ているようなムーディな幻想世界。
https://open.spotify.com/album/48vMJyoBaAUs7mRtVnENwh?si=ENk5HoVbRuq_hG6YJ7JLHA

 

9)Nat King Cole / Latin American Tour with King Cole(2019、アメリカ)*

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 Spotifyではプレイリストですが、これは同題のCDアルバムがあります。ラテン専門家の竹村淳さんセレクトでオフィス・サンビーニャから発売されたそれと同内容になるようにしただけ。ラテンなナット・キング・コールは戦後の日本でも親しまれましたね。もとは1958〜62年発売のレコード三枚。
https://open.spotify.com/playlist/7GlR8e592Xomud4vjHrN9h?si=f05bd96991134d22

 

(written 2022.8.14)

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