カテゴリー「ギター」の25件の記事

2022/09/09

ぼくの失敗談(其の一)〜 クラプトンのアーミング(えっ?)篇

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(3 min read)

 

ただの昔話です。

 

1995年にパソコン買ってネットをはじめて以後現在までが音楽について毎日たくさんおしゃべりするようになった時代ですが、あのころもいまもたくさんの失敗をおかし、ウソ、でたらめ、いいかげんを言い続けているぼく。たんなる無知、勘違いが原因です。

 

古いことは時間が経過して周囲はひょっとして忘れ、張本人のぼくのなかでも笑い話、スウィートなメモリーへと蒸化されてきているので、憶えているものは思い出としてときおりつづっておきたいと思います。過去をふりかえってなつかしむ、そういう歳です。

 

なかでも最大のものの一つが1995〜98年ごろのどこかの時期にあった失敗談で、エリック・クラプトンは自身のストラトキャスターでアーミングをすることもある、と発言した件。ネット会議室中が大騒ぎになりましたよねえ、そりゃあ(苦笑)。

 

ご存知ないかたのために事実から先に言えば、クラプトンはまったくアームなど使いません。そもそも愛用のストラトからアームを取り外しちゃっているギターリストですから。真似して(フェンダー・ジャパンの)ストラトをお茶の水で買ったぼくだって同じようにしていたというのに。

 

あのときは、だからなにを血迷ったのでしょう。CDでクラプトンのどれかを聴いていて、あっここはにょ〜んとスムースに音程が下がっているじゃないか、アーミングだろうと思ったんでしょうか。上がるほうだったらお得意のチョーキングだねと判断したでしょうけど、下がりましたから、っていうのがでも聴き間違いだったのかも。

 

とにかくクラプトンがアームを使うとみんなの前で発言したことで、もちろん一斉にツッコまれました。ロック・ギターにくわしいにもかかわらずなにも言わなかった仲間もいて、そりゃあれですね、こいつなにも知らんのだなとあきれたということでしょう。「おまえなに言ってんだ!」というような強い語調のかたもいませんでした。

 

みんな物腰やわらかく、ニコニコ笑いながらおだやかにといった表情でそれとなく遠まわしにほのめかすといった程度の指摘で、紳士だったなぁ。ギターリストが多かったんですけどね、あのNifty-Serveのロック・クラシックス会議室(FROCKL〕には。過去にバンド経験があるとか、いまでも友人とのセッションでときおり弾いているといったアマチュア・ギターリストが。

 

90年代のパソコン通信ってそんなのどかな雰囲気に満たされていて、それでもぼくが入るずっと前からやっていたるーべん(佐野ひろし)さんに言わせれば「むかしはのどかでよかった」ということになるんだそうで、ぼくだけひとりムキになって殺気立っていたのかもしれませんね。当時のだれとも交流がなくなりました。みんな元気かなあ。

 

(written 2022.8.30)

2022/08/10

ギター・ソロ 25

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(4 min read)

 

Super Guitar Solos 25
https://open.spotify.com/playlist/1xy5UsD5upFSMZldoFHdO3?si=5322feaef5e84b16

 

1) The Allman Brothers Band / Stateboro Blues
2) Eagles / Hotel California
3) Derek & the Dominos / Have You Ever Loved A Woman
4) Frank Zappa / Inca Roads
5) Miles Davis / Fat Time
6) 岩佐美咲 / 鞆の浦慕情
7) Led Zeppelin / Heartbreaker
8) Albert Collins / Iceman
9) Wings / My Love
10) Santana / Black Magic Woman ~ Gypsy Queen
11) Jeff Beck / Jailhouse Rock
12) The Beatles / Taxman
13) Paul McCartney / Things We Said Today
14) The Beatles / While My Guitar Gently Weeps
15) The Rolling Stones / Love In Vain
16) Steely Dan / Green Earrings
17) Michael Jackson / Beat It
18) John Lee Hooker / Red House
19) The Paul Butterfield Blues Band / Blues wtih A Feeling
20) Bonnie Raitt / Thing Called Love
21) Bo Diddley / Who Do You Love
22) The Brian Setzer Orchestra / Jump, Jail An’ Wail
23) Prince / I Like It There
24) Prince / The Ride
25) Jimi Hendrix / Purple Haze

 

ギター・ソロが聴かれなくなってきているというウワサがありますが、しかしぼくの読んでいる範囲でのそれはもっぱらその事実(かどうかよくわかんないんだけども)を嘆き悲しみ開きなおる古い?タイプのミュージシャン、ギターリスト、ファンたちの発言ばかり。

 

なにを隠そうこのぼくだって古いというかなんというか、そりゃあもうロックなギター・ソロ弾きまくりがとっても大好き。これは還暦前後から音楽嗜好が変化してきた現在でもまったく変わりありませんから、きょうはちょっと曲中でギター・ソロが目立ってすぐれているというものばかり25曲選んでプレイリストにしておいたのがいちばん上のリンク。

 

記憶だよりでただ思いつくまま25個並べていって、そのまま曲の出し入れとか曲順の並べ替えとかはしていませんから、ここにストーリーみたいなものはありませんというか意図していません。

 

やっぱりクラシック・ロック、ブルーズ・ロックが中心になっているのは音楽の傾向として当然なんでしょう。それなのに、やはりギター・ソロがふんだんに聴けるプログレ系が一つも入っていないのはぼくらしいところ。趣味じゃないんですよね。一曲が長すぎたりも選びにくく。

 

あたりまえのベタな定番どころが多いですが、そのいっぽうでこれどういうこと?っていうようなシブめ選曲もあり。またジャズ(マイルズ・デイヴィス)や演歌(岩佐美咲)も一曲づつ入れて、さらに同じミュージシャンで二曲ほど入っているケースも。

 

とにかく、あくまで歌が曲の中心だけど(いちおう)、そのイントロ、オブリ、間奏、後奏でギター・ソロがきわだっているものを、ということなんで、終始ギター・ソロだけでできあがっているようなものは外しました。むろんそういう世界にも美しい曲がたくさんあって、でもそれはきのう書きましたし。

 

いまではもはや到底聴けないなぁと感じるような古臭ふんぷんたるものもあれば、まだまだけっこういけるぞと思えるものだってあり。しかしそれはいずれも書かれた曲についてのことであって、インプロヴァイズドな楽器ソロはすべての曲でいまでも新鮮で古びていないのは、なにかしらの真実を言い当てているんでしょうか。

 

(written 2022.7.11)

2022/08/09

ギター・ソロだけでできあがった曲を聴く 〜 ファンカデリック、ザッパ(など)

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(3 min read)

 

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https://open.spotify.com/playlist/3pMc0So4GpJ6R5MTEZjX9N?si=2c7d34e3340346b3

 

敬遠されるようになったとうわさのギター・ソロですが、ぼくは大好きなので、もしかして近年の新曲から姿を消しているということならば、かつて発表された音楽を聴けばおっけ〜。

 

ものによっては歌がなく、ギター・ソロだけでできあがっている曲ってものすらあるんですからね。その代表格のうち大好きでたまらないもの二つを選んでおきました。ファンカデリックの「マゴット・ブレイン」(1971)とフランク・ザッパの「ウォーターメロン・イン・イースター・ヘイ」(79)。

 

ギター・ソロだけでできたこの二曲、ほんとうに好きなんだということはずっと前にも一度書いたことがありましたね。なんだか似ているんじゃないかという意味も込めて。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/p-cab8.html

 

ヴォーカルが1コーラス歌い終わると間奏で楽器ソロが入ったりするというのは、ずいぶん前から、それこそ1920年代のアメリカ北部都会派女性ブルーズ・シンガーの伴奏をジャズ・ミュージシャンが務めていたころからの慣習で、この手の音楽ではあたりまえな耳慣れたもの。

 

でもそれを強く濃い感じのエレキ・ギターでやるというのがこれほど一般化したのは、1960年代以後のロック・ミュージックが多大な影響力をおよぼしたからに違いありません。ロックにとても強い影響をおよぼしたリズム&ブルーズなんかではサックスのことが多かったと思います(ジャズ由来でしょう)。

 

ロックだって初期のころはさほどでもなかったんですが、ビートルズ以後かな、このバンドもデビュー後しばらくのあいだはソロにそんな力入れてなくて、解散までトータルでみてもギター・ソロがいい感じの曲って数えるほどしかないんですが、60年代中期以後のブルーズ・ロックとサイケデリック路線勃興後でしょうね、激しい感じの音色にした長めのギター・ソロが重用されるようになったのは。

 

サイケとブルーズ・ロックといえば、ファンカデリック(Pファンク)とザッパにとってはどっちも大きな構成要素です。なんたってPファンクのPはサイケデリックのPですから。ザッパにはジャズや現代音楽も大きく流入していますので、そっちからのものもあるでしょうけど。

 

ひたすらの慟哭のような「マゴット・ブレイン」に比べたら、「ウォーターメロン・イン・イースター・ヘイ」のほうは気高いプライドに満ちていて、キリッとし、さわやかさすらただよっていますよね。ロック・オペラとしてのアルバム・ストーリーを踏まえたら悲劇的な曲なんですけれども、それもふくめこれは音楽への愛というものが持つ気高さなんだとぼくは思っています。

 

(written 2022.7.2)

2022/07/30

ハッピー・バースデイ、マイク・ブルームフィールド!

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(2 min read)

 

Janis Joplin / One Good Man
https://www.youtube.com/watch?v=FBR9ja9uWqU

 

きのう7/28は大好きなギターリスト、マイク・ブルームフィールドの誕生日だったんだって。誕生日とか命日とか記念日などのことをまったく憶える気もないぼくは、Twitterタイムラインでみんなに教えてもらいました。あわてて思い出せるものをちょっと聴き。

 

そのなかからきょうはちょっとこれを、っていうものをご紹介します、ジャニス・ジョップリンの『コズミック・ブルースを歌う』(1969、I Got Dem Ol’ Kozmic Blues Again Mama!)3曲目の「ワン・グッド・マン」。ブルームフィールドが弾いています。

 

このアルバムではほかにも三曲で参加しているんですが、いちばんブルームフィールドらしいブルーズ・ギターを堪能できるのが「ワン・グッド・マン」。そして大人気歌手ジャニスのアルバムだということで、ひょっとしたらこれが一般にいちばん聴かれているブルームフィールドかも?と思います。そのギターだと気づかれていないかもにせよ。

 

ジャニスのことはなにも言わないことにしてブルームフィールドのブルーズ・ギター。イントロからスライドっぽく入ってきていますよね。ヴォーカルにも終始オブリでからんで旨味を効かせていますが、いちばんの聴きどころはやはり間奏ソロとアウトロでの弾きまくり。

 

ひょっとしたらブルームフィールドの全セッション中でもベスト・プレイのひとつだったのでは?と思えるくらいなキレ味じゃないですか。いまでも変わらずエレキ・ギター弾きまくり系ブルーズ・ロックのことを心から愛しているぼくは、こういう演奏にこそ胸が打ち震えるんです。

 

もちろんアル・クーパーとやった『スーパー・セッション』(1968)とかポール・バタフィールド・ブルーズ・バンドの一員(64〜67)として腕をみせているものみたいな大活躍ぶりではないんですけど、こうしたスタジオ・セッション・ワークでの渋めの職人芸でもまたブルームフィールドは持ち味を発揮したと思います。

 

ボブ・ディランのレコーディングでやったものなど、ほかにもいっぱいあるんですけども、とりあえずきょうはこれで。

 

(written 2022.7.28)

2022/07/24

入眠にもいい納涼 〜 ケオラ・ビーマーのスラック・キー・ギター

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(3 min read)

 

Keola Beamer / Mauna Kea ~ White Mountain Journal
https://open.spotify.com/album/1sB7C55SKRkXJLy77kysfI?si=qWCIalLKQmeXATqn9dBJbw

 

bunboniさんに教えていただきました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-07-10

 

六月末にいったん梅雨明けしたはずなのに、こちら愛媛県松山市は七月に入った途端なんだか戻り梅雨がずっと停滞しているような天候ばかり続くようになりました。きれいな晴れの日がまったくないんだもんなあ。気温もこの季節にしてはやや低め。

 

それでも7月20日すぎごろから松山でもようやく夏がやってきたかと思えるようなセミの鳴き声と強烈な日差しと暑さがおとずれていて、聴く音楽もそれっぽいものへとシフトさせようかなというときにちょうどいいのがハワイのケオラ・ビーマー『Mauna Kea ~ White Mountain Journal』(1997)。

 

インストルメンタルな、いはゆるスラック・キー・ギター・ミュージックで、ぼくみたいな音楽リスナーにはかつてライ・クーダーが手ほどきしてくれたものでした。それで本場ハワイのギターリストたちも聴くようになり、日本の山内雄喜とかもほんとうに愛聴しています。山内さんのアルバムはサブスクに一つもないからCDで。

 

そんななか、これはSpotifyでも問題なく聴けるケオラ・ビーマー97年の『マウナ・ケア』は傑出した美しさと誇り高さを保っているように聴こえます。まさしくマスターピースに違いないすばらしいアルバム。しかも真夏の納涼に最適なさわやかさあふれる音楽ですよね。

 

ヴォーカル・アルバムでもポップ・ミュージックでもありませんが、こうしたひたすらフラットで淡々と続くおだやかで静かな音楽は、いまのぼくの嗜好とフィーリングにこれ以上ないほどピッタリ。快適で、部屋で流しながらゆっくりくつろぐ時間は至福の安らぎだと思えます。

 

だからSpotifyアプリでリピート設定をオンにして、なんども再生しながらいつまでもずっとこれを聴いていたい、このゆっくりした時間がいつまでも続けばいいのにと感じるような、そんな心地よさ。リラックスできて心が安らかにほぐれてくるので、深夜ベッドに行く前の入眠準備としてもちょうどいい。

 

なかでもおやっ?と耳を惹いたのは8曲目。ケオラの自作ですけど、これって沖縄音階にちょっと近いメロディ・ラインですよね。さらにギターの音色もカンカンとサステインが短く、なんだかやや三線に近い硬さで、これ、本体や弦はなにを使っているんでしょうか。ハワイと沖縄の音楽は相互共通性があるにはあるでしょうけど。

 

いずれにせよ、そのほかの曲もぜんぶふくめ、美しいメロディ・ラインをギター一本でどれだけきれいに、響きよく、おだやかに、なおかつしっかりと確かにつづっていくかというお手本のような音楽で、こういうギターが弾けたらなぁと心芯からあこがれるものですね。

 

今年の真夏の深夜は、これを聴いて癒されて、おだやかな睡眠へといざなわれたいと思います。

 

(written 2022.7.23)

2022/04/10

ブルーズは心の安心毛布 〜 ブルーズ・ロック・ギターをちょっと(2)

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(5 min read)

 

Some Blues Rock Guitars
https://open.spotify.com/playlist/4C3lknWolY212BM93KqBKU?si=baab0f10a8714366

 

2018年に書いた文章のくりかえしになってしまうんですけども、ほんとうに好きでいつでもよく聴く癒しなので、また言ってもええじゃないか。個人の趣味ブログですから。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-08e7.html

 

ナスティな感じのブルーズ・ロック・ギターをたっぷり浴びるほど聴きたいっ!という気分になることがぼくにはときたまあって。なにを聴いてもなんだかピンとこない、心が寒いっていう不調時の安定剤としてもいいんです。

 

だからいつでもぱっと聴けるように、根っから大好きなものだけ集めてプレイリストにしてありますが、問題はSpotifyでのそれとMusicアプリ(旧名iTunes)でのそれがちょっとだけ違うってこと。

 

というのもプリンスの「パープル・ハウス」がサブスク配信されていません。ジミ・ヘンドリクスの「レッド・ハウス」をリメイクしたもので、これが収録された2004年の『パワー・オヴ・ソウル』というジミヘン・トリビュート・アルバムはCDしかないんです。

 

なので「パープル・ハウス」だけはSpotifyプレイリストのほうには入れられず、残念ですけど。これも聴き逃したくないので、ブルーズ・ロック・プレイリストを再生したくなったらいつもMacのMusicアプリを起動させています。CDをお持ちでないかたのためYouTubeリンクを貼っておきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=whbewejw-g8

 

今回のプレイリストは、前回2018年に作成して記事にしたのを基本的にそのまま活かしながら、数曲は新規に足したり削ったりもしているので、いちおう以下に演者と曲名を書いておきましょう。

 

1. The Allman Brothers Band / Statesboro Blues
2. Mike Bloomfield / Albert’s Shuffle
3. Fleetwood Mac / Shake Your Moneymaker
4. Jeff Beck / I Ain’t Superstitious
5. Derek & The Dominos / Have You Ever Loved A Woman
6. Frank Zappa / Cosmik Debris
7. Led Zeppelin / I Can't Quit You Baby
8. The Rolling Stones / Stop Breaking Down
9. Van Morrison / Bring It On Home To Me
10. Stevie Ray Vaughan / The Sky Is Crying [Live]
11. Jimi Hendrix / Red House
12. Prince / Purple House
13. Prince / The Ride
14. Paul McCartney / Matchbox

 

ジャズにしろロックにしろ、このへんのくっさぁ〜いブルーズ系のものはイマイチだという向きもいらっしゃるようですし、近年の最新音楽トレンドからすればますますそうなりますよね。

 

時代遅れだなと思いはするものの、個人的に好きでたまらない、聴けば快感で心地よく、特にそれ系のロックでエレキ・ギターがぎゅんぎゅん鳴っているものなんか、これ以上に安寧できる音楽が個人的にはないなあと思うほど。どうにも抜けない嗜好なんですから。

 

ダーティな弾きまくりじゃないものも一曲だけ入れてあって、9曲目のヴァン・モリスン「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」(サム・クック)。2017年のアルバム『ロール・ウィズ・ザ・パンチズ』からと、本プレイリスト中最も近年の作品。ブルーズというよりソウル・ナンバーですが、ジェフ・ベックのギターが美しいので。

 

これ以外は1960年代末〜70年代前半のものが多く、しかもUK勢中心ですよね。これはあきらかに一つの傾向を示しているといえます。60年代デビューのUKブルーズ・ロック・バンドがこういった世界をリードして一時代を築いたのはまぎれもない事実。

 

個人的には高校二年でレッド・ツェッペリンにはまって、スクール・バンドでコピーするようになり、それをきっかけに同様のロックが好きになりました。高三で電撃的にジャズ・ファンになってもやはりブルーズやそれベースの曲や演奏が大好きだっていうその素地は、UKブルーズ・ロックを聴くことで養われたものでしょう。

 

とことん突きつめて、そんな数々のUKブルーズ・ロック・バンドがカヴァーしていたオリジナルの米黒人ブルーズ、リズム&ブルーズ、ソウルなどアメリカン・ブラック・ミュージックが血肉にしみわたるようになりました。1990年代の戦前ブルーズCDリイシュー・ブームだって、はまる地固めができていたのはローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンらのおかげだったんですから、ぼくのばあいは。

 

でも、ブルーズ・ロック・ギター、聴けば気持ちいいっていう、たんなるピュアでシンプルな生理的快感なだけですから、ここに理屈なんかあるわけないです。だれがどう言おうとも、好き!

 

(written 2022.2.14)

2022/03/31

ライ・クーダーとかジョン・ハイアットとかお好きなら 〜 スティーヴ・ドーソン

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(3 min read)

 

Steve Dawson / Gone, Long Gone
https://open.spotify.com/album/5aBKL2TKWb6Br1f552lIVO?si=Bj1PX2a1RzmTjRSgjj1gsQ

 

萩原健太さんに教えてもらいました。
https://kenta45rpm.com/2022/03/25/gone-long-gone-steve-dawson/

 

スティーヴ・ドーソンはカナダはヴァンクーヴァー出身のルーツ・ロック系シンガー・ソングライター。各種ギター類を弾き、歌い、プロデュースやエンジニアリングもやるっていう。現在は米ナッシュヴィルに拠点を置いているみたいです(多い)。

 

その最新作『ゴーン、ロング・ゴーン』(2022)には、なぜかフェイシズ「ウー、ララ」のカヴァーがあったりもしますが、それ以外はスティーヴのまろやかなギター演奏をフィーチャーした自作や共作で構成されています。公式サイト↓
https://www.stevedawson.ca/gone-long-gone

 

アメリカーナと言っていい音楽で、個人的にはおだやかに静かにアクースティック・ギターや各種スライド系を弾いているしっとりナンバーがお気に入り。北アメリカ大陸ギター・ミュージックのルーツの一つであるハワイ音楽を思わせる瞬間も多くていいですね。

 

ホーン・セクションがソウルフルなグルーヴを提供するオープニング・チューン「ダイムズ」からゴキゲン。2曲目はハワイのキング・ベニー・ナワヒにささげられたものですが、イナタいビートに乗ったハワイ的なギター・スライド+ニュー・オーリンズ・スタイルの転がるピアノがからんで、なんともいい気分。

 

3曲目のタイトル・ナンバーはストリングスとアクースティック・ギター&ペダル・スティールが溶け合うっていう。ヴォーカルも入ってはいますが、スティーヴ2018年の前作『ラッキー・ハンド』は自身のギターでストリング・カルテットと共演するインストルメンタル・アルバムだったので、そこからの流れを汲んでいるのかも。

 

そして、今作で個人的に白眉だぞと思うのが6曲目「クラニアピア・ウォルツ」。もちろんワルツですが、多彩なスティール/スライド系ギター技巧をしっとり味わえるインスト・ナンバーで、+ブラシでやるドラムスとレトロなパンプ・オルガンがしんみりと色を添える渋めの一曲。おだやかで、のんびりのどかなハワイの風景も連想させて、えもいわれぬいい心地です。

 

同じくインストの9曲目「シカーダ・サンクチュアリ」はスティーヴのアクースティック・ギター独奏。多重録音もなし、一本で一発録音したインスト・アメリカーナみたいな感じ。「クラニアピア・ウォルツ」にしろ、こうした落ち着いたギター・インストが印象的なアルバムですね。

 

決して弾くまくり系の派手さや技巧見せつけはないけれど、ギター演奏のほんとうのうまみがじんわり沁みてきて、その意味でもライ・クーダーとイメージが重なります。

 

(written 2022.3.30)

2022/01/28

ポール・マッカートニーのアクースティック・ギター名演選

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(3 min read)

 

Acoustic McCartney
https://open.spotify.com/playlist/078Q9j0sMzjJsCn8RtPYee?si=be1db7c260d140b0

 

萩原健太さんのブログからパクりました。
https://kenta45rpm.com/2022/01/20/nothing-but-pop-file-vol-2-acoustic-mccartney/

 

ポール・マッカートニーのアクースティック・ギター演奏がどうすばらしいのか、どこが絶品なのかというと、指が速く正確に動くという次元の話ではなく、アレンジ能力というか、どういう音をどこにどれだけどう積むかというアイデアがとんでもなくみごと。

 

コンポーザー、アレンジャー、プロデューサーとして一流のポールらしいところなんですが、どんなジャンルの音楽でもどんな楽器でも、ぼくはそうしたミュージシャンに強く惹かれる傾向があるんです。

 

ビートルズ時代からポールはそうしたアクギの腕前を披露してきましたが、その後現在までのソロ活動もふくめて、存分に堪能できるApple Musicプレイリストを、熱心なファンである健太さんが上掲記事中で公開していましたので、さっそくなんどもくりかえし楽しませてもらいました。
https://music.apple.com/jp/playlist/nothing-but-pop-file-vol-2-acoustic-mccartney/pl.u-YkK2FPRBNPl?l=en

 

健太さんはギターリストでもあるので、それもあってポールのすごみを実感しているということだと思います。ぼくのほうはただの一般素人リスナーですから、なんとなくきれいだなぁと感じて惚れ惚れ聴いているだけ。

 

それで、ぼくはSpotify常用者なので、健太さんのがよかったから同じプレイリストをSpotifyで作成しておこうと思って。アプリ切り替えがメンドくさいだけっていうモノグサゆえなんですけど、するとApple MusicにはあるけどSpotifyでは配信されていないっていうのが一曲だけありました(「ヴァニラ・スカイ」、無念)。

 

それはだからあきらめて、そのついでに健太プレイリストにはないものを自分なりにちょこっと混ぜてみようと。2018年リリースだったビートルズ『ホワイト・アルバム』50周年記念エディション収録の『イーシャー・デモ』からと、ポール1991年の『アンプラグド:ジ・オフィシャル・ブートレグ』から、それぞれ数曲づつ入れてみました。

 

結果、健太さんのが12曲33分だったのに対し、ぼくのは15曲41分になりました。これでもじゅうぶんLPレコード・サイズにおさまったと言えます。聴きやすくていいですね。『イーシャー・デモ』とかライヴの『アンプラグド』とかは個人的に大好きなので、それなりに自分らしさは出せたかなという気もします。

 

ポールのアクースティック・ギター名演集、Apple Musicユーザーは健太さんので、Spotifyユーザーはぼくので、それぞれお楽しみいただければと思います。
https://open.spotify.com/playlist/078Q9j0sMzjJsCn8RtPYee?si=9ee6e74b9f504bf6

 

(written 2022.1.23)

2021/11/08

ベン・ハーパーのラップ・スティール独奏がちょっといい

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(3 min read)

 

Ben Harper / Winter Is For Lovers

https://open.spotify.com/album/2jRFS663e7VPtA64depQBV?si=Xb1gzJiyQcGi7CKCskI-Ww

 

アメリカ人ギターリスト、ベン・ハーパー。昨年秋、最新作『ウィンター・イズ・フォー・ラヴァーズ』(2020)が出たときに、それをちょっと意識したにもかかわらず、なんとなくもう一年が経ってしまいました。でも、思いなおしてちょっと書いておきましょうね。

 

この『ウィンター・イズ・フォー・ラヴァーズ』は、なんとベンのラップ・スティール・ギター独奏のみで全編構成されています。そんなのはキャリア初だとか。冬を思わせるタイトルとジャケット・デザインですが、レコーディングは昨年夏どまんなかの時期だったそう。

 

中身は夏も冬も関係ない音楽が展開されておりますね。ほとんどの収録曲に都市名や地名のタイトルが付いていますが、それもあとづけのものだったに違いなく意味はなし。おそらくすべてラップ・スティール一本でのテーマを決めない即興演奏を録音したものだと思います。

 

これがですね、なかなかリラックスできるいい音楽なんですよね。内省的で静かに落ち着いた感じで、ポップさなんかはぜんぜんありませんが、こうしたアクースティック・ギター独奏を聴く層には歓迎されそうです。全編を貫くひとつの統一的なムードもあります。

 

いまさらアメリカ本土におけるスティール・ギターの由来とか歴史とかを語っておく必要はないと思いますし、実際このアルバムを聴けば、クラシック、ハワイアン、スパニッシュ、カントリー、ジャズ、ブルーズなど、種々のギター・ミュージック・ルーツが、しかもそうとはわからないほど渾然とスープ状に溶け込んで一体化しているのを、ギター・ミュージック・ファンなら感じとることができるはず。

 

ベンがこうした室内楽的な独奏アルバムを制作しようと思った最大のきっかけは、もちろんコロナ自粛でしょう。昨年夏の録音ですし、みんながステイ・ホームで静かに過ごしていた時期。そんな自粛期にバンドで集まってセッションすることはむずかしいので、じゃあ独奏で、っていうことになったのでしょう。

 

できあがった音楽も、まだちょっとは続くのかもしれない自粛期間の、その自宅でのくつろぎのおともにちょうどいいムード。もうそろそろコロナ禍も先が見えつつあるのかもしれませんが、明けたら明けたで自室でのひとりの時間、コーヒーでも飲みながら、こうした音楽でまったり過ごすというのもいいかなって思います。

 

(written 2021.10.18)

2021/05/27

コラをギターに移植して 〜 デレク・グリッパー

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(3 min read)

 

Derek Gripper / A Year of Swimming

https://open.spotify.com/album/3nqAmeifj1R8iiiFMcno04?si=44Qss73_R7eRNSNANdVc0g

 

南アフリカはケープタウン出身の白人ギターリスト、デレク・グリッパー。西アフリカのグリオ音楽に魅せられ、特にマリのコラにとりつかれて、コラの演奏を通常の六弦ナイロン・ギターに移植して弾いているという、ちょっといままでにないスタイルのソロ・ギターリストです。アルバム『ア・イヤー・オヴ・スウィミング』(2020)で知りました。

 

デレクは元来クラシック畑のギターリストらしいんですが、『ア・イヤー・オヴ・スウィミング』では全面的に西アフリカ音楽に挑戦。よく知られたサリフ・ケイタの曲ふたつ、そのほかのカヴァー曲に自作もまじえ、ギター独奏だけでコラの世界を再現せんとしているんですね。

 

以前から書きますように西アフリカのコラ・ミュージックが大好きなぼくなんで、というかそもそもコラという楽器のあの音色や、全弦開放で弾くあのサウンド、響きなど、もうえもいわれぬチャームを感じ愛聴しているので、それをナイロン弦ギターに移植したらどうなるのか?という興味だけでデレクのこのアルバムを聴きました。

 

はたして立派なできばえじゃないでしょうか。まぎれもないギターの音だけど、そこにコラのあの世界が透けて見えるような、そんな気がします。コラ演奏を聴いたことのないギター・ミュージック・ファンがこれをどう感じるのかわからないですが、コラのサウンドになじんでいる西アフリカ音楽好きであれば、耳おぼえのあるスタイルのフレイジング頻出で、おもわずニンマリすること必定。

 

デレクがやってみせるまで、だれもが不可能だと考えていたコラのサウンドをギターに移植する作業は(これまでクラシック・ギターでアフリカ音楽が演奏されることはほぼ皆無だったはず)、西洋のクラシックの伝統と西アフリカのグリオの伝統とのあいだに前例のない出会いをもたらしたのだと言えましょう。

 

デレクの弾く、サステインが短くアタックの強い乾いたギター・サウンドは、クールな静寂の世界を表現しているし、たしかにアフリカ音楽の風を感じさせるもので、マリや西アフリカのコラ音楽によくなじんでいる耳にだってかなり新鮮に響きます。コラで聴き慣れた世界のようでいて、同時にいままでまったく体験したことのない未知の領域に足を踏み入れているような快感もありますね。

 

アフリカ音楽やコラに関心のない、アクースティック・ギター・ミュージック好きにもちょっと推薦できるアルバムかもしれません。

 

(written 2021.2.20)

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