カテゴリー「ギター」の29件の記事

2023/09/07

ショーロな七弦ギターの教本 〜 マルコ・ペレイラ、ロジェリオ・カエターノ

Br4622

(3 min read)

 

Marco Pereira, Rogério Caetano / Sete Cordas, Técnica e Estilo

https://open.spotify.com/album/4uWDqS1SAAToMFOhALcnWi?si=kz9oAPfXS3qsTYG6UqSsMg

 

Spotifyの『Release Rader』で出会ったんですけど、アルバム題といい各曲題といい聴いてみても、なにかブラジリアン七弦ギター練習曲集みたいな感じのマルコ・ペレイラ、ロジェリオ・カエターノによる『Sete Cordas, Técnica e Estilo』(2023)。でもこれ、どれもちょっと弾いてはすぐ止まるし、なんだろうなあ、ショーロには違いないんだけど、と思って調べてみました。

 

そうしたら、七弦ギター教則本(2010)の付属音源なんだそうです。道理でね。だからちゃんと教本があって、それにはCDで付属しているんでしょう、その音源がサブスクにもあるだけっていう。本の表紙(が音源のジャケでもある)をよく見ると、演奏がロジェリオで、教本の執筆監修はマルコとなっています。

 

こういうのはテキストがないとね、サブスクで音だけ聴いていてもおもしろくないんですが。で、この本+CDは日本でもディスクユニオンで売っているようですよ。とはいえ七弦ギターがなかなか通常の楽器店やギター・ショップでは買いにくいんじゃないかなあ日本では。六弦も満足に弾けないぼくなんか、七弦なんてムリムリ。

 

でもなんとなくの雰囲気にひたるだけっていうか、サブスクでこれを流しながらムードだけ、マルコやロジェリオに教わっているようなちょっとしたメイク・ビリーヴっていうか、ポルトガル語読めないからやっぱり教本のほうはあれだけど、音だけで、弾けない七弦ギターをなんだかちょっと習っているような、それだけのホント軽い妄想にはひたれます。

 

それににしても聴いてみたら多くでギターは二本同時に聴こえ、一本がリズム・カッティングで一本が単音旋律を奏でているし(+パンデイロ程度)、その様子からしてロジェリオの多重録音じゃなさそうですよ。マルコも弾いているのかもしれません。

 

サックスやフルートが入るパートもあります。でもあくまで主役は七弦ギター。ところでナイロン七弦ギターってブラジル以外で使われている音楽あるんでしたっけ?それもショーロやショーロふう伴奏のつくサンバとか、そういうのだけというに近いような気がするんですが、この印象間違っているでしょうか?

 

(written 2023.6.17)

2023/08/10

ロビー・ロバートスンの変態ギターを思い出していた 〜 ボブ・ディラン『プラネット・ウェイヴズ』

Screenshot-20230810-at-92337

(3 min read)

 

Bob Dylan / Planet Waves

https://open.spotify.com/album/3gYbjd76d8T5Ct5WxCxX5R?si=Muma8CNSTGWfR0fKlfqshA

 

サウンド・クリエイター、ソングライターとしてはもちろん、いちギターリストとしても独自な個性で歴史に名を残したロビー・ロバートスン。個人的にことさら強く印象に焼きついているのがボブ・ディラン『プラネット・ウェイヴズ』(1974)でのプレイぶりです。

81oihvkndpl_uf10001000_ql80_

 

ディランとザ・バンドとの全面共演作にして、両者のコラボのなかでは最高傑作、すくなくともいちばん好きだと感じてきたアルバムなんですが、なかでも2曲目「Going, Going, Gone」での変態ギターはかなりのもんじゃないですか。じっさいこれロビーのギターが好きなファンのあいだでは有名なものです。

 

まずディランが静かにアクースティック・ギターで刻みはじめますが、そのイントロ段階でロビーはすでにピッキング・ハーモニクスを駆使して静寂を破ります。それでもってフレーズをつくり歌をむかえ入れるんですから。

 

ワン・フレーズ歌が終わってのオブリガートがまたひどい。ガ〜ンとコードを弾いた刹那、トレモロ・アームでびよょ〜〜んと下降。そしてそのまま次いでやはりピッキング・ハーモニクスでフレーズを奏でます。このアーミング → ハーモニクスの流れは毎回出てくるんですよね。

 

ディランのヴォーカルが終わるとロビーのギター・ソロになって、カクカクとしたいびつなフレイジングをピッキング・ハーモニクスを織りまぜつつ弾いていますよね。そして歌はもう出ずそのまま曲が終わってしまいますから、なんだかこの曲はロビーの変態ぶりを聴くためにあるようなもんです。

 

歌うようにスムースななめらかさリリカルさとは無縁なこんなギター・スタイル、やはり唯一無二のもので、ロビー以外にこんな弾きかたをして音楽をふちどった異形っていたでしょうか。いまでいうアメリカーナを導き出した祖先の一人でもあるし、その意味でも2023年にいくら高く評価されてもされすぎることはありません。

 

R.I.P.

 

(written 2023.8.10)

2022/11/04

音色メイクが好きなロック・ギターリスト二名 〜 デレク・トラックス、フランク・ザッパ

1eb9d4cfe4ed45dea89e70704e393c85

(3 min read)

 

八月だったか(九月だっけ?)にテデスキ・トラックス・バンドの最新アルバム『アイ・アム・ザ・ムーン』四部作が完結しました。話題になっていませんよね。ともあれぶらぶら流していて気がついたことがあります。それはデレク・トラックスのギター音色メイクがぼくは好きなんだってこと。

 

デレクのエレキ・ギター・サウンドが大好きだっていうのがこのバンドを聴く最大の理由かもしれないくらい。ギター、エフェクター、アンプなどなにを使い、つまみをどの位置でどう調整しているかっていうたぐいの話はぼくにわかりません。ちょっと聴いた感じピッキング(デレクは指弾き)もこの音色に影響していそう。

 

音色をことばでしっかり形容するのってむずかしいですね。テデスキ・トラックス・バンドをとにかくなにか一つ聴いてみてほしいです。デレクの弾き出す丸くてファットでまろやかに装飾されたギター・サウンドは、ぼくのレトロ趣味にこれ以上なくピッタリ。

 

アクースティック・ピアノほかと違い、エレキ・ギターはメイク次第でどんなふうにも音色を変えられるので、ギターリストそれぞれ個性があって、ファンにより好みも大きく分かれるだろうと思うんですよね。デレクのばあいはバンドの音楽性がクラシカルなのにあわせ、ギターの音色も同傾向にアジャストしているのがよくわかります。

 

エレキ・ギターこそがイコン楽器である(ほかのどんな音楽よりも)ロック・ミュージックの歴史で、こうした個人的嗜好にドンピシャっていう音色を持つギターリストが過去にもう一名いて、それはフランク・ザッパ。やはりギター・ヴァーチュオーゾでした。

 

ザッパのばあいは曲想の変化にあわせギターの音色も自在にチェンジしていたという印象があります。ときにノー・メイクなストレート・サウンドに近いこともあれば、たまにキーボード・シンセサイザーだろうかと聴まがうんじゃないかとすら感じるときもあって、そのへんの変幻自在なカメレオンもザッパの巨匠たるゆえん。

 

つねにバンドで演奏するクラシック・ロック志向を大切にしているデレクと違い、ザッパにはギター・マスターという自認もあったでしょうしファンのリクエストゆえだったのか、もっぱら自身のギターばかりフィーチャーしたアルバムといったものも複数リリースしていました。

 

ロック界には名ギターリストが多いのに、自身の過去作からギター・ソロ・パートだけ抜き出して並べて一つのアルバムにしてしまうなんてことを堂々とやっていたのは、ぼくの知るかぎりザッパだけ。やっぱりちょっと変わっていたのかもしれませんが、個人的にはそんな変態ぶりも愛好対象です。

 

(written 2022.10.4)

2022/11/02

ヴォーカルも充実の、真摯で温かみに満ちたアクースティック・カヴァー集 〜 ローリー・ブロック

A3089741070_10

(3 min read)

 

Rory Block / Ain't Nobody Worried
https://open.spotify.com/album/6mJ82v1RaTKBLS8IAq6pgP?si=3Chc2JQdSSiYiuMUVbKhJQ

 

アクースティック・ブルーズ・ギターリスト、ローリー・ブロックについては、以前2020年の『プルーヴ・イット・オン・ミー』を当時の新作として書いたことがあります。二年経って新作『Ain't Nobody Worried』(2022)が出ました。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2020/06/post-8f49fa.html

 

最新作も女性音楽家のエンパワーメント企画の一環として制作されたもので、今回はブルーズと限定せず、ブルーズ・チューンもあるけれどリズム&ブルーズ、ソウル、ロック、ポップスなどさまざまなジャンルの女性歌手による曲をローリーなりにアクースティック・カヴァーしたもの。

 

いちおう全曲のオリジナル歌手をリストにしておきましょう。

1)ステイプル・シンガーズ
2)グラディス・ナイト&ザ・ピップス
3)メアリー・ウェルズ
4)トレイシー・チャップマン
5)ココ・テイラー
6)ボニー・レイト
7)エタ・ジェイムズ
8)ローリー・ブロック(セルフ・カヴァー)
9)マーサ・リーヴズ&ザ・ヴァンデラス
10)キャロル・キング
11)エリザベス・コットン

 

曲により弾き語りだったりビート伴奏が付いていたりしますが、どんな曲をやってもバラつかずローリーの独自カラーが一貫していて統一性がしっかり感じられるのはベテランならではでしょうね。一つのアルバムを聴いたという心地がします。

 

個人的には4「ファスト・カー」あたりからグッときますが(あのころトレイシー・チャップマンに惹かれていた)、それでもたとえば5「クライド・ライク・ア・ベイビー」みたいな曲での輝きはやはりひときわ。本来領域っていう感じで、スライド・ギターも聴きごたえあり。

 

そして7「アイド・ラザー・ゴー・ブラインド」。これは曲じたいに個人的な思い入れがとっても強く、サザン・ソウル・スタンダード(とくくる必要はないかも)のなかでもモスト・フェイヴァリットですからね。こうやってローリーのアクースティック・レンディションが聴けたのは喜び。ヴォーカルもはまっていると思います。

 

9「ダンシング・イン・ザ・ストリート」みたいな曲を選ぶのはやや意外でしたが、曲想にあわせてローリーも普段着とはちょっと違う派手目アレンジで、バック・コーラスもしたがえてにぎやかに楽しくやっています。グルーヴィですよね。

 

だれのどんな曲かを言う必要ないくらいになっている10「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」のカヴァーは真摯で温かな人間味を感じさせる内容で、いままでいくつも聴けた有名ヴァージョンの数々に比し遜色ないできばえ。ヴォーカリストとしての力量もわかります。

 

(written 2022.10.21)

2022/09/09

ぼくの失敗談(其の一)〜 クラプトンのアーミング(えっ?)篇

Eric_clapton2_in_1978

(3 min read)

 

ただの昔話です。

 

1995年にパソコン買ってネットをはじめて以後現在までが音楽について毎日たくさんおしゃべりするようになった時代ですが、あのころもいまもたくさんの失敗をおかし、ウソ、でたらめ、いいかげんを言い続けているぼく。たんなる無知、勘違いが原因です。

 

古いことは時間が経過して周囲はひょっとして忘れ、張本人のぼくのなかでも笑い話、スウィートなメモリーへと蒸化されてきているので、憶えているものは思い出としてときおりつづっておきたいと思います。過去をふりかえってなつかしむ、そういう歳です。

 

なかでも最大のものの一つが1995〜98年ごろのどこかの時期にあった失敗談で、エリック・クラプトンは自身のストラトキャスターでアーミングをすることもある、と発言した件。ネット会議室中が大騒ぎになりましたよねえ、そりゃあ(苦笑)。

 

ご存知ないかたのために事実から先に言えば、クラプトンはまったくアームなど使いません。そもそも愛用のストラトからアームを取り外しちゃっているギターリストですから。真似して(フェンダー・ジャパンの)ストラトをお茶の水で買ったぼくだって同じようにしていたというのに。

 

あのときは、だからなにを血迷ったのでしょう。CDでクラプトンのどれかを聴いていて、あっここはにょ〜んとスムースに音程が下がっているじゃないか、アーミングだろうと思ったんでしょうか。上がるほうだったらお得意のチョーキングだねと判断したでしょうけど、下がりましたから、っていうのがでも聴き間違いだったのかも。

 

とにかくクラプトンがアームを使うとみんなの前で発言したことで、もちろん一斉にツッコまれました。ロック・ギターにくわしいにもかかわらずなにも言わなかった仲間もいて、そりゃあれですね、こいつなにも知らんのだなとあきれたということでしょう。「おまえなに言ってんだ!」というような強い語調のかたもいませんでした。

 

みんな物腰やわらかく、ニコニコ笑いながらおだやかにといった表情でそれとなく遠まわしにほのめかすといった程度の指摘で、紳士だったなぁ。ギターリストが多かったんですけどね、あのNifty-Serveのロック・クラシックス会議室(FROCKL〕には。過去にバンド経験があるとか、いまでも友人とのセッションでときおり弾いているといったアマチュア・ギターリストが。

 

90年代のパソコン通信ってそんなのどかな雰囲気に満たされていて、それでもぼくが入るずっと前からやっていたるーべん(佐野ひろし)さんに言わせれば「むかしはのどかでよかった」ということになるんだそうで、ぼくだけひとりムキになって殺気立っていたのかもしれませんね。当時のだれとも交流がなくなりました。みんな元気かなあ。

 

(written 2022.8.30)

2022/08/10

ギター・ソロ 25

765ee6e5efa1409ca5a8a8e755a71cd5

(4 min read)

 

Super Guitar Solos 25
https://open.spotify.com/playlist/1xy5UsD5upFSMZldoFHdO3?si=5322feaef5e84b16

 

1) The Allman Brothers Band / Stateboro Blues
2) Eagles / Hotel California
3) Derek & the Dominos / Have You Ever Loved A Woman
4) Frank Zappa / Inca Roads
5) Miles Davis / Fat Time
6) 岩佐美咲 / 鞆の浦慕情
7) Led Zeppelin / Heartbreaker
8) Albert Collins / Iceman
9) Wings / My Love
10) Santana / Black Magic Woman ~ Gypsy Queen
11) Jeff Beck / Jailhouse Rock
12) The Beatles / Taxman
13) Paul McCartney / Things We Said Today
14) The Beatles / While My Guitar Gently Weeps
15) The Rolling Stones / Love In Vain
16) Steely Dan / Green Earrings
17) Michael Jackson / Beat It
18) John Lee Hooker / Red House
19) The Paul Butterfield Blues Band / Blues wtih A Feeling
20) Bonnie Raitt / Thing Called Love
21) Bo Diddley / Who Do You Love
22) The Brian Setzer Orchestra / Jump, Jail An’ Wail
23) Prince / I Like It There
24) Prince / The Ride
25) Jimi Hendrix / Purple Haze

 

ギター・ソロが聴かれなくなってきているというウワサがありますが、しかしぼくの読んでいる範囲でのそれはもっぱらその事実(かどうかよくわかんないんだけども)を嘆き悲しみ開きなおる古い?タイプのミュージシャン、ギターリスト、ファンたちの発言ばかり。

 

なにを隠そうこのぼくだって古いというかなんというか、そりゃあもうロックなギター・ソロ弾きまくりがとっても大好き。これは還暦前後から音楽嗜好が変化してきた現在でもまったく変わりありませんから、きょうはちょっと曲中でギター・ソロが目立ってすぐれているというものばかり25曲選んでプレイリストにしておいたのがいちばん上のリンク。

 

記憶だよりでただ思いつくまま25個並べていって、そのまま曲の出し入れとか曲順の並べ替えとかはしていませんから、ここにストーリーみたいなものはありませんというか意図していません。

 

やっぱりクラシック・ロック、ブルーズ・ロックが中心になっているのは音楽の傾向として当然なんでしょう。それなのに、やはりギター・ソロがふんだんに聴けるプログレ系が一つも入っていないのはぼくらしいところ。趣味じゃないんですよね。一曲が長すぎたりも選びにくく。

 

あたりまえのベタな定番どころが多いですが、そのいっぽうでこれどういうこと?っていうようなシブめ選曲もあり。またジャズ(マイルズ・デイヴィス)や演歌(岩佐美咲)も一曲づつ入れて、さらに同じミュージシャンで二曲ほど入っているケースも。

 

とにかく、あくまで歌が曲の中心だけど(いちおう)、そのイントロ、オブリ、間奏、後奏でギター・ソロがきわだっているものを、ということなんで、終始ギター・ソロだけでできあがっているようなものは外しました。むろんそういう世界にも美しい曲がたくさんあって、でもそれはきのう書きましたし。

 

いまではもはや到底聴けないなぁと感じるような古臭ふんぷんたるものもあれば、まだまだけっこういけるぞと思えるものだってあり。しかしそれはいずれも書かれた曲についてのことであって、インプロヴァイズドな楽器ソロはすべての曲でいまでも新鮮で古びていないのは、なにかしらの真実を言い当てているんでしょうか。

 

(written 2022.7.11)

2022/08/09

ギター・ソロだけでできあがった曲を聴く 〜 ファンカデリック、ザッパ(など)

A323f2f4a84c4b9ba61d87582ada3bc4

(3 min read)

 

6 imaginary guitar solos
https://open.spotify.com/playlist/3pMc0So4GpJ6R5MTEZjX9N?si=2c7d34e3340346b3

 

敬遠されるようになったとうわさのギター・ソロですが、ぼくは大好きなので、もしかして近年の新曲から姿を消しているということならば、かつて発表された音楽を聴けばおっけ〜。

 

ものによっては歌がなく、ギター・ソロだけでできあがっている曲ってものすらあるんですからね。その代表格のうち大好きでたまらないもの二つを選んでおきました。ファンカデリックの「マゴット・ブレイン」(1971)とフランク・ザッパの「ウォーターメロン・イン・イースター・ヘイ」(79)。

 

ギター・ソロだけでできたこの二曲、ほんとうに好きなんだということはずっと前にも一度書いたことがありましたね。なんだか似ているんじゃないかという意味も込めて。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2016/03/p-cab8.html

 

ヴォーカルが1コーラス歌い終わると間奏で楽器ソロが入ったりするというのは、ずいぶん前から、それこそ1920年代のアメリカ北部都会派女性ブルーズ・シンガーの伴奏をジャズ・ミュージシャンが務めていたころからの慣習で、この手の音楽ではあたりまえな耳慣れたもの。

 

でもそれを強く濃い感じのエレキ・ギターでやるというのがこれほど一般化したのは、1960年代以後のロック・ミュージックが多大な影響力をおよぼしたからに違いありません。ロックにとても強い影響をおよぼしたリズム&ブルーズなんかではサックスのことが多かったと思います(ジャズ由来でしょう)。

 

ロックだって初期のころはさほどでもなかったんですが、ビートルズ以後かな、このバンドもデビュー後しばらくのあいだはソロにそんな力入れてなくて、解散までトータルでみてもギター・ソロがいい感じの曲って数えるほどしかないんですが、60年代中期以後のブルーズ・ロックとサイケデリック路線勃興後でしょうね、激しい感じの音色にした長めのギター・ソロが重用されるようになったのは。

 

サイケとブルーズ・ロックといえば、ファンカデリック(Pファンク)とザッパにとってはどっちも大きな構成要素です。なんたってPファンクのPはサイケデリックのPですから。ザッパにはジャズや現代音楽も大きく流入していますので、そっちからのものもあるでしょうけど。

 

ひたすらの慟哭のような「マゴット・ブレイン」に比べたら、「ウォーターメロン・イン・イースター・ヘイ」のほうは気高いプライドに満ちていて、キリッとし、さわやかさすらただよっていますよね。ロック・オペラとしてのアルバム・ストーリーを踏まえたら悲劇的な曲なんですけれども、それもふくめこれは音楽への愛というものが持つ気高さなんだとぼくは思っています。

 

(written 2022.7.2)

2022/07/30

ハッピー・バースデイ、マイク・ブルームフィールド!

51dilrc1oql_ac_

(2 min read)

 

Janis Joplin / One Good Man
https://www.youtube.com/watch?v=FBR9ja9uWqU

 

きのう7/28は大好きなギターリスト、マイク・ブルームフィールドの誕生日だったんだって。誕生日とか命日とか記念日などのことをまったく憶える気もないぼくは、Twitterタイムラインでみんなに教えてもらいました。あわてて思い出せるものをちょっと聴き。

 

そのなかからきょうはちょっとこれを、っていうものをご紹介します、ジャニス・ジョップリンの『コズミック・ブルースを歌う』(1969、I Got Dem Ol’ Kozmic Blues Again Mama!)3曲目の「ワン・グッド・マン」。ブルームフィールドが弾いています。

 

このアルバムではほかにも三曲で参加しているんですが、いちばんブルームフィールドらしいブルーズ・ギターを堪能できるのが「ワン・グッド・マン」。そして大人気歌手ジャニスのアルバムだということで、ひょっとしたらこれが一般にいちばん聴かれているブルームフィールドかも?と思います。そのギターだと気づかれていないかもにせよ。

 

ジャニスのことはなにも言わないことにしてブルームフィールドのブルーズ・ギター。イントロからスライドっぽく入ってきていますよね。ヴォーカルにも終始オブリでからんで旨味を効かせていますが、いちばんの聴きどころはやはり間奏ソロとアウトロでの弾きまくり。

 

ひょっとしたらブルームフィールドの全セッション中でもベスト・プレイのひとつだったのでは?と思えるくらいなキレ味じゃないですか。いまでも変わらずエレキ・ギター弾きまくり系ブルーズ・ロックのことを心から愛しているぼくは、こういう演奏にこそ胸が打ち震えるんです。

 

もちろんアル・クーパーとやった『スーパー・セッション』(1968)とかポール・バタフィールド・ブルーズ・バンドの一員(64〜67)として腕をみせているものみたいな大活躍ぶりではないんですけど、こうしたスタジオ・セッション・ワークでの渋めの職人芸でもまたブルームフィールドは持ち味を発揮したと思います。

 

ボブ・ディランのレコーディングでやったものなど、ほかにもいっぱいあるんですけども、とりあえずきょうはこれで。

 

(written 2022.7.28)

2022/07/24

入眠にもいい納涼 〜 ケオラ・ビーマーのスラック・キー・ギター

71vbp3irikl_ss500_

(3 min read)

 

Keola Beamer / Mauna Kea ~ White Mountain Journal
https://open.spotify.com/album/1sB7C55SKRkXJLy77kysfI?si=qWCIalLKQmeXATqn9dBJbw

 

bunboniさんに教えていただきました。
https://bunboni58.blog.ss-blog.jp/2022-07-10

 

六月末にいったん梅雨明けしたはずなのに、こちら愛媛県松山市は七月に入った途端なんだか戻り梅雨がずっと停滞しているような天候ばかり続くようになりました。きれいな晴れの日がまったくないんだもんなあ。気温もこの季節にしてはやや低め。

 

それでも7月20日すぎごろから松山でもようやく夏がやってきたかと思えるようなセミの鳴き声と強烈な日差しと暑さがおとずれていて、聴く音楽もそれっぽいものへとシフトさせようかなというときにちょうどいいのがハワイのケオラ・ビーマー『Mauna Kea ~ White Mountain Journal』(1997)。

 

インストルメンタルな、いはゆるスラック・キー・ギター・ミュージックで、ぼくみたいな音楽リスナーにはかつてライ・クーダーが手ほどきしてくれたものでした。それで本場ハワイのギターリストたちも聴くようになり、日本の山内雄喜とかもほんとうに愛聴しています。山内さんのアルバムはサブスクに一つもないからCDで。

 

そんななか、これはSpotifyでも問題なく聴けるケオラ・ビーマー97年の『マウナ・ケア』は傑出した美しさと誇り高さを保っているように聴こえます。まさしくマスターピースに違いないすばらしいアルバム。しかも真夏の納涼に最適なさわやかさあふれる音楽ですよね。

 

ヴォーカル・アルバムでもポップ・ミュージックでもありませんが、こうしたひたすらフラットで淡々と続くおだやかで静かな音楽は、いまのぼくの嗜好とフィーリングにこれ以上ないほどピッタリ。快適で、部屋で流しながらゆっくりくつろぐ時間は至福の安らぎだと思えます。

 

だからSpotifyアプリでリピート設定をオンにして、なんども再生しながらいつまでもずっとこれを聴いていたい、このゆっくりした時間がいつまでも続けばいいのにと感じるような、そんな心地よさ。リラックスできて心が安らかにほぐれてくるので、深夜ベッドに行く前の入眠準備としてもちょうどいい。

 

なかでもおやっ?と耳を惹いたのは8曲目。ケオラの自作ですけど、これって沖縄音階にちょっと近いメロディ・ラインですよね。さらにギターの音色もカンカンとサステインが短く、なんだかやや三線に近い硬さで、これ、本体や弦はなにを使っているんでしょうか。ハワイと沖縄の音楽は相互共通性があるにはあるでしょうけど。

 

いずれにせよ、そのほかの曲もぜんぶふくめ、美しいメロディ・ラインをギター一本でどれだけきれいに、響きよく、おだやかに、なおかつしっかりと確かにつづっていくかというお手本のような音楽で、こういうギターが弾けたらなぁと心芯からあこがれるものですね。

 

今年の真夏の深夜は、これを聴いて癒されて、おだやかな睡眠へといざなわれたいと思います。

 

(written 2022.7.23)

2022/04/10

ブルーズは心の安心毛布 〜 ブルーズ・ロック・ギターをちょっと(2)

C13c5886283b4be597fbb7f3db0cd1ee

(5 min read)

 

Some Blues Rock Guitars
https://open.spotify.com/playlist/4C3lknWolY212BM93KqBKU?si=baab0f10a8714366

 

2018年に書いた文章のくりかえしになってしまうんですけども、ほんとうに好きでいつでもよく聴く癒しなので、また言ってもええじゃないか。個人の趣味ブログですから。
https://hisashitoshima.cocolog-nifty.com/blog/2018/04/post-08e7.html

 

ナスティな感じのブルーズ・ロック・ギターをたっぷり浴びるほど聴きたいっ!という気分になることがぼくにはときたまあって。なにを聴いてもなんだかピンとこない、心が寒いっていう不調時の安定剤としてもいいんです。

 

だからいつでもぱっと聴けるように、根っから大好きなものだけ集めてプレイリストにしてありますが、問題はSpotifyでのそれとMusicアプリ(旧名iTunes)でのそれがちょっとだけ違うってこと。

 

というのもプリンスの「パープル・ハウス」がサブスク配信されていません。ジミ・ヘンドリクスの「レッド・ハウス」をリメイクしたもので、これが収録された2004年の『パワー・オヴ・ソウル』というジミヘン・トリビュート・アルバムはCDしかないんです。

 

なので「パープル・ハウス」だけはSpotifyプレイリストのほうには入れられず、残念ですけど。これも聴き逃したくないので、ブルーズ・ロック・プレイリストを再生したくなったらいつもMacのMusicアプリを起動させています。CDをお持ちでないかたのためYouTubeリンクを貼っておきましょう。
https://www.youtube.com/watch?v=whbewejw-g8

 

今回のプレイリストは、前回2018年に作成して記事にしたのを基本的にそのまま活かしながら、数曲は新規に足したり削ったりもしているので、いちおう以下に演者と曲名を書いておきましょう。

 

1. The Allman Brothers Band / Statesboro Blues
2. Mike Bloomfield / Albert’s Shuffle
3. Fleetwood Mac / Shake Your Moneymaker
4. Jeff Beck / I Ain’t Superstitious
5. Derek & The Dominos / Have You Ever Loved A Woman
6. Frank Zappa / Cosmik Debris
7. Led Zeppelin / I Can't Quit You Baby
8. The Rolling Stones / Stop Breaking Down
9. Van Morrison / Bring It On Home To Me
10. Stevie Ray Vaughan / The Sky Is Crying [Live]
11. Jimi Hendrix / Red House
12. Prince / Purple House
13. Prince / The Ride
14. Paul McCartney / Matchbox

 

ジャズにしろロックにしろ、このへんのくっさぁ〜いブルーズ系のものはイマイチだという向きもいらっしゃるようですし、近年の最新音楽トレンドからすればますますそうなりますよね。

 

時代遅れだなと思いはするものの、個人的に好きでたまらない、聴けば快感で心地よく、特にそれ系のロックでエレキ・ギターがぎゅんぎゅん鳴っているものなんか、これ以上に安寧できる音楽が個人的にはないなあと思うほど。どうにも抜けない嗜好なんですから。

 

ダーティな弾きまくりじゃないものも一曲だけ入れてあって、9曲目のヴァン・モリスン「ブリング・イット・オン・ホーム・トゥ・ミー」(サム・クック)。2017年のアルバム『ロール・ウィズ・ザ・パンチズ』からと、本プレイリスト中最も近年の作品。ブルーズというよりソウル・ナンバーですが、ジェフ・ベックのギターが美しいので。

 

これ以外は1960年代末〜70年代前半のものが多く、しかもUK勢中心ですよね。これはあきらかに一つの傾向を示しているといえます。60年代デビューのUKブルーズ・ロック・バンドがこういった世界をリードして一時代を築いたのはまぎれもない事実。

 

個人的には高校二年でレッド・ツェッペリンにはまって、スクール・バンドでコピーするようになり、それをきっかけに同様のロックが好きになりました。高三で電撃的にジャズ・ファンになってもやはりブルーズやそれベースの曲や演奏が大好きだっていうその素地は、UKブルーズ・ロックを聴くことで養われたものでしょう。

 

とことん突きつめて、そんな数々のUKブルーズ・ロック・バンドがカヴァーしていたオリジナルの米黒人ブルーズ、リズム&ブルーズ、ソウルなどアメリカン・ブラック・ミュージックが血肉にしみわたるようになりました。1990年代の戦前ブルーズCDリイシュー・ブームだって、はまる地固めができていたのはローリング・ストーンズやレッド・ツェッペリンらのおかげだったんですから、ぼくのばあいは。

 

でも、ブルーズ・ロック・ギター、聴けば気持ちいいっていう、たんなるピュアでシンプルな生理的快感なだけですから、ここに理屈なんかあるわけないです。だれがどう言おうとも、好き!

 

(written 2022.2.14)

フォト
2024年2月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29    
無料ブログはココログ